仏フラマソフト+CSIが複合材料解析CAEシステムを本格販売

材料特性を考慮し機械的性質を精密に予測、精度・使い勝手で優位性

 1992.12.01−フランスのCAE大手、フラマソフト+CSI社の日本事務所(ベノア・プラデリ所長)は、複合材料の専門解析ソフトウエア「COMPOSIC」(商品名)を来年に向けて本格的に販売開始する。強化プラスチック、ガラス・ポリエステル、カーボン・エポキシ、カーボン・カーボンなど各種材料特性を考慮し、その構造体としての機械的性質を精密にシミュレーションできる。とくに材料同士の剥離など、劣化が起こりやすい局所的なエッジ部分の解析が可能な点がユニークな特徴。HPなどのUNIXワークステーションで利用でき、ソフト価格は年間レンタル料で500万円から。

 現在、複合材料分野の技術的ノウハウをもつベンダーを販売代理店に起用するべく交渉中で、早ければ年内にも合意が得られる見込みという。

 「COMPOSIC」は、同社のCAE製品群“SYSTUSソフトウエアワールド”の1つで、欧州を中心に50システムの販売実績をもっている。マクラーレンやリジェなどのF1マシンの設計をはじめ、航空・宇宙、船舶など幅広い分野で複合材料の設計に貢献している。

 簡単に積層構造のモデリングが行え、複合材料専用の解析プログラムにより一般化荷重、主応力、中間応力、変形応力、ポテンシャルエネルギーのチャート、三次元修正応力、複合基準など構造体の設計の評価に必要なパラメーターのすべてを決定することができる。解析結果はわかりやすく可視化され、また各層ごとに評価することも可能。

 とくに局所エッジ部分の解析は、COMPOSICの大手ユーザーでもある仏ベルタン社が開発した「クレオプス」(商品名)を利用する。これは、COMPOSICのオプションモジュールとして提供されるものだが、同社では今後さらに他のパートナーと協力して亀裂発生の解析などオプションを拡充していく計画である。

 なお、著名な汎用CAEシステムの中には、複合材料解析モジュールを備えたシステムもあるが、COMPOSICは当初から専用システムとして開発されたため、解析精度や使い勝手の面で優位性があるという。