サイエンスハウスが国産CCS製品の代理販売を開始

中堅から大手まで10社程度と契約へ、国産ソフト活性化を狙う

 1992.10.14−独立系ソフトウエア会社のサイエンスハウス(本社・東京都文京区、飯箸泰宏社長)は、国内で開発されたCCS(コンピューターケミストリーシステム)ソフトウエアを幅広く集め、一括して代理販売を行う新事業を11月から開始する。テクノシステムや情報数理研究所など中・小規模のソフト会社のほか、NECや富士通など大手コンピューターメーカー製のCCSソフトについても販売代理店契約を締結しつつあり、11月には10社程度のソフトを品揃えする計画。同社は、分子モデリングシステム「MOLDA」(商品名)など独自のCCS製品群を擁し、すでに高い実績をあげているが、他社製品を含めてラインアップを拡充することで販売効率の向上と事業規模の拡大を図る。また、CCSの総合販社として販売面を担うことで、中小の国内CCSベンダーを活性化する狙いもある。

 同社は、化学のノウハウをもつユニークなソフト会社で、1987年ごろからパソコン版CCSのラインアップ化を進めるとともに、この分野の受託ソフト開発にも取り組んできていた。

 現在、中小規模の国産CCSソフトベンダーは、販売やマーケティング面に大きな投資ができないという悩みがある。今回の戦略は、これらのソフトを集約することにより、販売効率を上げ、市場を活性化させることを狙ったもの。

 具体的には、中部ガス系のソフト会社テクノシステムが開発した分子モデリングシステム「441」および化合物データ管理ソフト「441/DB」、また独立系ソフト会社の情報数理研究所が開発した各種技術計算ライブラリー群や分子グラフィックシステム「MOLLIB」などを代理販売していく。

 また同社は、NECの代理店として全製品を扱う権利をもっており、ワークステーション版の分子設計支援システム「ACACS[E]」やたん白工学支援システム「BIOCES[E]」などもラインアップに加える計画という。さらに、富士通とも同様の契約を交渉中のほか、国内の複数のソフトベンダーと販売提携で合意しつつあり、年内には10社以上の製品を扱うことになるという。