三菱総合研究所がポリマーアロイの特許情報DB

英語版で海外利用者に焦点

 1998.11.28−三菱総合研究所は、ポリマーアロイに関する公開特許情報を独自にデータベース化し、関連研究者・開発者向けのパソコンソフトとして、「PAB-Square」の名称で製品化した。1975年から92年までの6,000件の情報を収録しており、用途や材料特性などで目当ての情報を絞り込める機能を盛り込んだ。また、今回はすべて英語版で製品化しており、主に海外の研究者をターゲットに売り込んでいく。

 「PAB-Square」は、日本国内のポリマーアロイ/ブレンド関連の公開特許を網羅的に収録したもので、単純に電子化するだけでなく、一つひとつ内容を分析して分類し、自動車部品や電子・電気部品など700種類の“アプリケーション”、耐候性や耐衝撃性、流動性など1,300種の物性面での“アドバンテージ”を組み込んでいる。このため、「自動車分野で耐熱性の高いもの」といった条件での検索が可能になり、研究者は目指す技術情報を的確に絞り込むことができる。

 また、これまでは海外の研究者が日本の特許情報にアクセスすることは非常に難しかったが、今回のシステムは抄訳ではなく元の日本語の全文を英語に翻訳しているのも特徴である。

 同社によると、ポリマーアロイ関連の世界の特許の半数は米国だが、4分の1は日本の特許であり、アクセスが容易であれば潜在ニーズは高いと判断できるという。本格的な事業展開に向けて、来年にかけて欧米での販路確立を急いでいく。

 最近では、国内の関連特許は年間1,500−2,000件のペースで公開されており、すでに93年以降の情報を取り込む作業も進行中である。