R&D支援システム特集:帝人システムテクノロジー

医薬品物性予測を実現

 1999.06.24−帝人システムテクノロジー(TST)は、医薬品の研究開発を支援するライフサイエンス系のコンピューターケミストリーシステム(CCS)を幅広く取り扱っており、とくに有望な候補化合物を効率良く発見するためのソフトウエアの提供に力を入れている。遺伝子/ジェノミックス関連のシステムインテグレーションと合わせて、新薬の探索研究を強力にサポートできるのが同社の強みとなっている。

 コンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニング(HTS)関連では、英オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)の製品群が中心をなす。とくに、「Chem-X」は薬理活性発現に関係する部分構造をキーにしてコンビナトリアルライブラリーをデザインでき、バーチャルスクリーニングによって効率の良いライブラリーづくりを可能にする機能を持っている。HTSでは、OMGの「RS3」を扱う富士通との提携でソリューションを提供していく。

 コンビケム/HTSの場合、大量の化合物を自動合成・自動スクリーニングするのが基本になるが、最近ではやはりあらかじめターゲットを絞り込んで高い確度での合成を行いたいというニーズが高まってきた。そこで、人気が出てきているのが米シミュレーションズプラスの製品。

 すでに発売中の「GastroPLUS」に続いて、ヒトの膜透過係数を予測できる「QMPR Plus」がこの4月からリリースされた。 GastroPLUSでも消化管内での薬物の吸収を予測できたが、QMPR Plusはさらに直接的な物性値に結びついている点で評価が高い。

 一方、研究活動の中で欠かせないのが分子のスペクトル分析による構造決定であり、これら分析部門をサポートするのが独ケミカルコンセプトの「SpecInfo」。新機能としてストラクチャージェネレーターが装備され、複数の候補構造を自動的に組み立てることができるようになった。ユーザーが社内の分析情報をデータベース化するときにも便利に利用できるシステムだ。