ウエーブファンクションとシュレーディンガーが統合製品TITAN

CRC総研を通じて国内販売

 1999.08.24−米国のコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーであるウエーブファンクション社は、同じくCCSベンダーの米シュレーディンガー社と提携し、シュレーディンガーが開発した分子軌道法プログラムを組み入れたウィンドウズ版統合CCS「TITAN」(商品名)を開発した。国内では、総代理店のCRC総合研究所を通して販売を開始する。分子軌道法は計算負荷が高いため、適用が低分子の有機化合物に限られる場合が多いが、TITANは非経験的な ab-initio 計算で大きな分子を扱え、計算化学のプロから実験研究者、教育向けまで幅広い応用が可能な点が特徴。価格は民間120万円、政府機関100万円、大学25万円。

 TITANは、ウエーブファンクションの分子設計支援システム「PC-Spartan PRO」と、シュレーディンガーの非経験的分子軌道法ソフト「Jaguar」を統合する形で製品化された。画面や操作系などはPC-Spartan PROとまったく同じで、 ab-initio 計算プログラムだけがオリジナルからJaguarに入れ替わったような製品構成となっている。

 Jaguarは、独自のシュードスペクトラル法と呼ばれるアルゴリズムを採用しており、その高速性によって大きな分子の系を扱えるという特徴がある。今回の製品化に合わせてはじめてウィンドウズに移植された。一方のSPARTANは操作のやさしさで定評があり、大学などの教育用にも広く使われている。