CTCLSがバイオインフォマティクスに参入

独ライオン製品など4製品を発売

 1999.08.26−新薬開発を支援するコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーのCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、バイオインフォマティクス分野に進出し、遺伝子関連の統合データベース(DB)システムから、プロテオーム(全たん白質)やたん白質立体構造のデータサービスまで、製品体系を一気に整えた。いずれも欧米で評価と実績の高いシステムで、遺伝子およびバイオテクノロジー研究に必要な先端的な機能を提供する。とくに、独ライオン・バイオサイエンス社の「BioSCOUT」は数100種類にのぼる世界中の遺伝子関連DBをインハウスで自動的に統合し、トータルな研究環境を実現する機能を備えており、国内でも関心が高まると期待される。

 今回、CTCLSが販売権を取得したのは独ライオンの「BioSCOUT」および「SRS」、米プロテオーム社のプロテオームDB、米ストラクチュラル・バイオインフォマティクス社(SBI)のたん白質立体構造DB−の4製品。

 SRSはもともと欧州のEMBLで開発されたシステムで、2年前にライオンが開発・販売権を獲得したもの。多数の遺伝子関連DBを取り込んで更新し、相互にインデックスを作成することでデータ統合を自動的に行ってくれる。このため、1回のキーワード検索によって数100のDBから関連するデータをもれなく引き出すことができる。

 BioSCOUTは、このSRSと遺伝子/アミノ酸関連の解析ソフト群を統合したシステムで、ライオン独自の新しいアルゴリズムも組み込まれており、市販ソフトでは難しい大量のゲノム情報の解析を得意としている。また、配列データが入力されると、どの解析ツールでどのDBをどのように利用するかなど、システム側で自動的に判別してくれるので、フルオートでも解析が可能。

 一方、生物が体内で生成する全たん白質のアミノ酸配列を収録したプロテオームDBは、酵母、真菌、センチュウの3種類のDBがあり、それぞれ世界中の文献から最新の情報が集められている。毎週データが更新されており、インターネットに接続して利用する。

 SBI社の製品は、同社独自の立体構造予測技術によって、立体構造が未知のたん白質の立体構造をDB化したもの。これもインターネット経由で利用するサービスとなっている。