菱化システムがジーンチップ用解析ソフト

アマシャムと共同マーケティング

 1999.08.31−菱化システムは、遺伝子発現解析や病気の臨床診断などに使われる米アフィメトリックス社の「ジーンチップ」(商品名)向けの解析ソフト「スティングレー」(同)を発売した。大量の遺伝子の発現データを効率良く扱い、グラフィックを用いてデータの理解を助けることができ、ゲノム情報を利用した新薬開発を支援する。菱化システムは、ジーンチップの国内代理店であるアマシャムファルマシアバイオテクとパートナーシップを組み、共同マーケティングおよび販売活動を進める。適応システムはウィンドウズNT。

 スティングレーは、米モレキュラーアプリケーショングループ(MAG)が開発したソフトで、ジーンチップシステムから出力されるデータの解釈を支援するための強力な解析ツール群を備えている。アフィメトリックス純正の解析ソフトもあるが、とくに大量データの扱いに関してはスティングレーの方が高機能だという。

 バイオインフォマティクス技術を利用した新薬開発では、薬物分子に対する既知の遺伝子の発現レベルをモニターし、その分子の薬効、毒性、特異性などを試験することが重要になる。ジーンチップは数千−数万遺伝子の同時モニタリングが可能で、ジェノミックス創薬研究を大幅にスピードアップできるが、それにともなって提供されるデータ量が膨大になるので、その中から新薬開発に重要な情報をいかに発掘するかがカギになってくる。

 スティングレーは、発現レベルに基づいて遺伝子をグループ化する高度なクラスタリングアルゴリズムを提供。さらに、実験条件の異なるデータを比較検討することで、どの遺伝子が影響を受けているかを浮き彫りにできる。特定の遺伝子の機能についての情報がない場合でも、ジーンチップ上にある既知の遺伝子の生物学的パスウェイ分類割当を含むオプションデータベースを利用することで、どの生物学的パスウェイが影響を受けているかを予測することができる。

 システムはバイオロジストに使い易いユーザーインターフェースを実現しており、遺伝子分類の統計的な関連を解釈するためのクラスマトリックスや、データ表示および比較のためのスプレッドシート機能などを備えている。