CCS特集:モデリング/ケムインフォマティクス関連

日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ

 2000.03.20−日本バイオ・ラッド ラボラトリーズのサドラー事業部は、スペクトルデータベース(DB)分野におけるパイオニアとして1960年代からデータライブラリーを蓄積。とくに、赤外線(IR)のDBは世界最大の17万件を揃えており、分析化学分野の研究に欠かせない情報源として高い評価を確立している。

 今回、IRスペクトルDBで、新しい販売方式が導入されることになった。現在のIR・DBは、高分子および工業薬品、試薬・有機化合物、食品添加物・医薬品、無機化合物・有機金属など、約70にカテゴリー分けされて個々にCD-ROMで提供されている。

 それぞれ高価なDBもあるため、たまには別のDBで検索してみたいとか、購入するほどではないが一時的に使いたいなどのニーズには適していなかった。そこで、新たに「Have It All IR」を製品化し、すべてのDBを手頃な価格で利用できるようにしたもの。

 「Have It All IR」では、IRの全DBを利用できる権利が、期間と回数を区切ってユーザーに与えられる。具体的には、化合物の名称と構造式からの検索が1年間無制限に行える。スペクトル検索の場合は、検索自体は何回でも可能だが、ヒットした情報の中から詳しいスペクトルデータを見たいときには、1回分のキーを消費することになる。料金体系はいわばプリペイド方式。

 手軽に利用できるようになるため、DBの利用者拡大につながると期待されている。日本語版は6月から提供される予定である。

 また、サドラーでは、旧ソフトシェル社の分子構造作成ソフト「ChemWindow」も販売しているが、今後はライバルのChemDrawとの差別化を図りつつ、多機能化の方向に発展させていく計画だという。