CCS特集:モデリング/ケムインフォマティクス関連

富士通

 2000.03.20−富士通は、バイオインフォマティクス、ケムインフォマティクス、分子モデリングの全方位で大幅にCCS事業体制を強化する。バイオインフォマティクスに関連するあらゆる情報や知識を集め、研究とビジネスにかかわる人々のネットワーク上のコミュニティとなることを目指して「ネットラボラトリー」(http://www.netlaboratory.com/)を1月末に開設したのに続き、今度はモデリング分野で世界中で実績がある英オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)の「CAChe」事業を買収。4月から富士通製品として開発・販売を行う全権を取得するとともに、国内ではソニー・テクトロニクスのOMG関連ビジネスのすべてを引き継いだ。2000年度の同社のCCSビジネスは質・量ともに倍増することになるだろう。

 富士通のモデリング製品は半経験的分子軌道法の「MOPAC2000」「WinMOPAC」、分子動力学法の「WinMASPHYC」などが中心。一方のCACheは、医薬/たん白質から材料分野までカバーする汎用的なモデリングシステムとして、その優れたユーザーインターフェースが高く評価されている。

 CACheに組み込まれていたのは古いMOPAC6であり、全世界のCACheユーザーにとってもMOPAC2000が利用可能になるのは朗報といえよう。

 「ChemOffice」などの米ケンブリッジソフト(CS)製品に、子会社の富士通九州システムエンジニアリング(FQS)が持つ加ハイパーキューブの「HyperChem」、米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)製品を加えると、分子モデリング分野における最強ラインアップが揃ってきたことになる。

 とくに、海外チャンネルを一気に整備できたことが大きい。