日本バイオ・ラッドがIR-DBで新販売方式

プリペイド式のHave It All IR

 2000.02.25−日本バイオ・ラッド ラボラトリーズのサドラー事業部は、赤外(IR)スペクトルのデータベース(DB)で、新しい販売方式を導入する。「Have It All IR」の名称で、期間や回数を区切って全DBを手頃な価格で利用できるようにするもの。日常的にではなく、研究内容に応じて折りにつけてスペクトル検索をしたいというユーザーに最適。これにより、利用者の拡大を図っていく。

 現在、サドラーのIRスペクトルDBは、高分子および工業薬品、試薬・有機化合物、食品添加物・医薬品、無機化合物・有機金属など、約70種類のDBに分類されてそれぞれCD-ROMとして販売されている。各DBの価格は10万円程度から400万円を超えるものまでさまざま。全部合わせて17万件の化学物質のスペクトルを集めている。

 「Have It All IR」は、IRの全DBを利用できる権利を期間と回数を区切って与えるもの。DBを収めたメディアには暗合キーが設定されており、ユーザーは手元のパソコンから設定された範囲内でDBを利用できる。

 具体的には、基本契約の下で、化合物の名称と構造式からの検索が一年間無制限に行える。スペクトル検索の場合は、検索自体は何回でも行えるが、ヒットした情報の中から詳しいスペクトルデータを見たいときには、一回分のキーを消費することになる。したがって、例えばこれを十回分でいくらといったプリペイド型の料金体系になるという。

 ときどき利用したいとか、いつもとは違うDBで検索してみたいなどのユーザーからの要望に応えて製品化した。よく使うDBは購入してしまうなど、効率の良い使い方が可能。米国では2月から提供するが、国内では日本語化して6月から販売する計画である。価格はまだ未定。