LSFがサンガーセンターにおける22番染色体の解読で活躍

プラットフォームコンピューティングのARMソリューション

 2000.05.11−プラットフォームコンピューティングは、今年の初めに英国ケンブリッジのサンガーセンターで完了したヒトの22番染色体の解読で、同社のクラスターシステム「LSFスイート」が活躍したことを明らかにした。これは、多数のワークステーションやサーバーをクラスター化して、単一の巨大スーパーコンピューターのように協調動作させる技術で、今回は250台からなるコンパックのアルファシステムを駆使した。ゲノム解析におけるクラスターシステムの有効性を示した実例としても注目される。

 サンガーセンターは、日米欧の公的機関が中心となって進めている国際ヒトゲノムプロジェクトの一角を構成する研究機関で、今年の初めに22番染色体の全塩基配列を解読した。22番染色体は、3,400万塩基対の遺伝コードから構成されており、37種類の遺伝子障害による先天性小児病に関係しているといわれている。

 この解読に使われたのが250台のアルファシステム、LinuxベースのPCサーバー、SGIおよびサン・マイクロシステムズのUNIXマシンで、これら全体がLSFで管理された。

 「この前例のないプロジェクトを早期に完遂するために、多数のアルファシステムを最大の効率で動かすことが必要だった。数分で終わるものから何日もかかるものまで、いろいろなサイズのジョブをうまく割り振り、クラッシュしたり作業を中断させたりすることなく、クラスターシステムが働いてくれることを求めていた」とサンガーセンターのIT(情報技術)部門長であるフィル・ブッチャー氏は話している。

 プラットフォームコンピューティングのLSFスイートは、大規模クラスターの利用可能なリソースを完全にコントロールするアプリケーションリソースマネジメント(ARM)のためのソリューション。アプリケーションの並列処理の実行を管理・制御し、最適化するための機能を備えており、すべてのリソースを最大効率で運転することを可能にする。

 カナダ・プラットフォームコンピューティング社のソニアン・ゾウ社長兼CEOは、「今回の成果は6年間にわたる共同作業の結果であり、医学研究とコンピューターサイエンスが強力に結びついた好例だと思う」と述べている。