ビジネスカフェジャパンが本格的に活動開始

IT関連、バイオベンチャーなどをインキュベート

 2000.06.20−ベンチャービジネスの育成を目的とするビジネスカフェジャパン(本社・東京都渋谷区、平川克美社長)が本格的に始動し、専門のポータルサイト(http://www.business-cafe.com)を開設した。同社のインキュベーション・ビジネスモデルは、投資家ではなく、新しいビジネスへの進出および導入を希望している一般企業をスポンサーとし、ビジネスカフェジャパンがそれらの企業向けのプロジェクトを推進するなかで、ユニークな技術を持つベンチャー企業をパートナーに起用するという形態を取る。つまり、それらの事業収入、ならびにスポンサー企業から納入される会費が同社の収入源になる。インキュベートする対象としては、IT(情報技術)関連およびバイオベンチャーを取り上げていく。

 ビジネスカフェジャパンは、米国のシリコンバレー、ロサンゼルス、ニューヨーク、さらにインド、イスラエル、カナダなどに拠点(開設予定を含む)を置き、産学の連携による国際的なインキュベーションネットワークを築いている。ベンチャーアセスメント委員会を日本と米国に設置しており、そのボードメンバーはIT関連の著名な識者で構成される。

 また、米国の非営利組織インターナショナル・ビジネス・インキュベーター(IBI、バーバラ・ハーレー所長)と共同でITビジネスの調査機関「マーケットリサーチラボラトリー」を運営し、今年の8月から研究レポートの配信を開始する。同ラボは、スタンフォード大学とサンノゼ州立大学がバックアップしており、高度な調査研究が行えることが特徴。

 国内においてはインターネット戦略研究所(織田勝也社長)と提携し、アジアにおけるIT関連の市場状況・技術動向を把握していく。

 ビジネスカフェの会員は、S会員、A会員、B会員の3つのクラスに分かれる。S会員はビジネスカフェに3,000万円以上出資するか、年間100万円の会費を納入するかする企業で、ビジネスカフェ認定ベンチャーに対する優先交渉権(投資・提携・買収など)、ビジネスリサーチラボへの初年度研究委託、ポータルへのリンク・広告掲載、ビジネスカフェファンドへの参加などの権利が与えられる。

 A会員は、年間12万円以上の会費納入、もしくは100万円以上の出資を行った企業で、一般会員専用ページの購読、メールマガジン購読、ビジネスレポート配信、メーリングリスト、米国拠点の施設利用などのサービスが受けられる。B会員の会費は年間1万円で、ROM会員ページ購読、メールマガジン購読、メーリングリスト参加が可能。

 現在、同社の認定ベンチャーとしては、Linuxの日本語ディストリビューターである「レーザーファイブ」、インターネットで3次元コンテンツを製作・配信する技術を開発した「ネットディメンション」、複数アドレスの電子メールの一括検索などインターネット利用の情報活用を提案する「いい・ジャンネット」、ウェブ上で本当の色を送り出すためのカラーマッチング技術を持つ「米Eカラー社」−の4社が取り上げられている。