ダイエーOMCとネオテニーがネット事業で合弁

高度なセキュリティとプライバシー尊重

 2000.04.18−流通系クレジットカードで業界第2位のダイエーOMCは、インターネットベンチャーのネオテニー(本社・東京都港区、伊藤穰一社長)と5月末に合弁会社を設立し、インターネットショッピングと電子決済のためのセキュリティサービスを提供する事業を開始すると発表した。現在のクレジットカードよりも高度なセキュリティと認証機能を持ったICカード技術を開発するほか、個人のプライバシー保護を重視したインターネットベースのマーケティングサービスなどを展開していく。2年目から黒字化し、3年後に500億円の売り上げを見込んでいる。

 合弁会社(社名は未定)の資本金は3億円で、ダイエーOMCが70%、ネオテニーが30%を出資、社長には久保雄二ダイエーOMCカード営業本部eビジネスプロジェクトリーダーが就任する。社員15名程度で8月から事業をスタートさせる。

 当面、新会社はダイエーOMCの生活情報ポータルサイト「eコレ!ねっと」(http://www.e-colle.com)を運営し、インターネット保険付クレジットカード「e-colle.comカード」を利用した電子モールでのショッピングを提供する。ダイエーグループ1万2,000店およびOMC加盟店29万4,000店の実在店舗と連携を図り、ネットで購入しても同じポイントが得られるようにするなどして、カード会員の行き来を活発化させて、OMCカード会員600万人を含む大規模顧客データベースをつくり上げていく。

 ネオテニーの伊藤社長は「現在のインターネットのマーケティングにおいては、個人情報がネット上にばら撒かれているために、いろいろなプライバシー問題が起きている。今後は、セキュリティのしっかりしたエージェントが大量の個人情報を管理し、プライバシー保護を図りながら限られた必要な情報だけを業者に切り出して提供していく形が一般的になってくる。新会社はその役目を負う」と述べている。

 これを見込んで、既存のクレジットカードに代わる新しい電子決済のための非接触型ICカードシステムの開発にも取り組んでいく計画だが、こちらは社会的インフラが整った段階で市場投入を進めていくという。