日立製作所が米ダブルツイストと独占契約

遺伝子ASPサービス、ソリューション構築サービスを提供

 2000.10.23−日立製作所は、バイオインフォマティクスの専門アプリケーションサービスプロバイダー(ASP)である米ダブルツイスト社とアジア太平洋地域における独占契約を締結した。日立は高度セキュリティを実現したインターネット技術であるVPN(バーチャルプライベートネットワーク)を利用して、アジアの顧客にダブルツイストのソリューションへのアクセス経路を提供するほか、ダブルツイストのソフトウエアスイートを組み込んだ創薬支援統合システム構築を請け負っていく。

 日立製作所は、1999年10月にライフサイエンス推進事業部を設立して以来、遺伝子配列解析サービス、遺伝子多形解析サービス、遺伝子発現解析サービス、たん白質間相互作用解析・データベース(DB)構築サービス、さらに遺伝子配列解析のためのソフトウエアツールやDB提供など、米国のバイオベンチャーの先進技術を次々に導入しながらサービスメニューを拡大してきた。今回の提携により、ゲノム情報から創薬ターゲットを発見するまでの総合的支援体制がさらに拡充されたことになる。

 今回、日立が独占的に提供するのはダブルツイストの4つのサービスあるいは製品群。第1は、バイオインフォマティクスのための総合ASPサービス「ダブルツイスト・ドット・コム」(DoubleTwist.com)で、インターネットを利用した強力でセキュアなオンライン研究環境を実現するもの。25の異なるゲノムDBを横断的に駆使することができ、ウェブベースでゲノム情報の解析と解析結果の保存を行うことができる。

 2番目から4番目まではゲノムのソフトウエアツールあるいはDBのパッケージ製品で、日立はこれらを販売ならびに顧客システムへのインテグレーションという形で提供していくことになる。

 具体的には、「Prophecy」(プロフェシイ)、「GeneForest」(ジーンフォレスト)、「クラスタリング&アラインメントツール(CAT)」の3種。 Prophecyは、高度なアノテーション付きのヒトゲノムDBで、データマイニングを強力に支援する可視化ツールを備えている。 GeneForestは、EST(エクスプレスド・シーケンス・タグ)配列をもとに構築され高度にアノテートされたDB。発現している遺伝子とその遺伝子のスプライシング多型情報を収めたまったく新しいDBとなっている。

 また、CATは巨大な遺伝子配列DBを処理・解析するための各種ソフトウエアツールを揃えたものである。

 日立は、今年の6月にダブルツイストと限定的な販売提携を行い、ProphecyやCATの年内限りの非独占的販売権を取得していた。今回は、両社の提携関係を正式で本格的なものにする意味もあるとみられる。