CTCLSが独ライオンのたん白質相互作用研究ツールを発売

ゲノム創薬を支援、発現解析から代謝経路探索まで一貫

 2001.09.06−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、たん白質の相互作用を研究するためのバイオインフォマティクスソフトウエア「πSCOUT(パイスカウト)」(商品名)と「Path SCOUT(パススカウト)」(同)の販売を開始した。バイオインフォマティクスの最大手ベンダーである独ライオン・バイオサイエンス社が開発したもので、たん白質の相互作用に関する独自データベース(DB)を持っている。マイクロアレイ解析によって発現した遺伝子と相互作用をするたん白質を検索し、そのたん白質を起点とする代謝経路を探るなどの一連のゲノム創薬のための研究過程を支援することが可能。ゲノムDBの統合環境を提供する「SRS」、マイクロアレイ解析ソフト「array SCOUT(アレイスカウト)」などのライオン製品と併用することで、バイオインフォマティクスの幅広い用途をカバーする。

 πSCOUTは、たん白質相互作用などのDBを可視化するためのソフトで、もとになるDBはライオンが独自に構築したもの。同社が得意とするテキストマイニング技術を利用して世界中の文献をスキャンして自動的に抽出した。ユーザーがマイクロアレイを使って社内で発現解析をした結果のDBやサードパーティー製の商用DBを統合して利用することも可能。

 一方のPath SCOUTは、指定されたたん白質の代謝経路を作成するソフトウエア。単純なDB検索によるのではなく、京都大学で開発された国際的なパスウェイDBである「KEGG」の情報を利用して、その都度代謝経路をジェネレートする。そのたん白質を起点にどのような代謝が生じるのかを手軽に検討することができる。

 それぞれ単独で利用することもできるが、マイクロアレイ発現解析ソフトの「array SCOUT」と組み合わせれば、興味深い遺伝子プロファイルに注目して、それと相互作用するたん白質を探索したり、その代謝経路を解析したりする一連の研究を効率良く進めることが可能になる。

 同社では、民間企業のバイオインフォマティクスへの投資意欲は依然として好調に推移しているとみており、ゲノム創薬のための業界標準の統合環境としてライオン製品を強力に販売していく方針だ。