マイクロソフトがWindowsXP日本語版11月16日発売

企業ユーザー向けにプレリリース版RC1の配付を開始

 2001.8.1−マイクロソフトは7月31日、次世代OS(基本ソフト)として開発中の「ウィンドウズXP」日本語版の発売日を11月16日と発表した。10月25日の英語版から約3週間遅れとなる。同社では発売に向けて全世界で10億ドルを投じたキャンペーンを展開する予定であり、国内でもパワーユーザー向け、一般ユーザー向け、企業ユーザー向けなど段階的なマーケティング戦略を推進していく。

 ウィンドウズXPは、ウィンドウズNTから2000への流れをくむ完全32ビットOSで、個人向けだったウィンドウズ95/98/MEからの継承性は断ち切られている。企業ユーザー向けにフル機能を実装した「ウィンドウズXPプロフェッショナル」と、その中から家庭向けの機能を使いやすく抽出したサブセット「ウィンドウズXPホームエディション」の大きく2つに分かれており、詳細な製品構成や価格については9月中旬から下旬のタイミングで明らかになる模様。

 今回、マイクロソフトは日本語版の発売日を決定するとともに、発売に向けてのマーケティング戦略を固めた。雑誌記事などへの露出と広告、テレビコマーシャルなどを段階的に展開し、市場の期待を盛り上げていく。とくに、9月19日から開催される「World PC EXPO」を一般ユーザーが初めてXPを実際に操作できる機会として位置づけ、大規模なイベント展開を行う。

 また、評価用のプレリリース版「RC1」を8月10日から企業ユーザー向けに配布し、ウィンドウズ95/98からのクライアントの切り替えを早期に促していく。

 このRC1はウィンドウズプレビュープログラム(WPP)の一環として約5万枚を配布するもの。企業ユーザーがXPをクライアントとしたシステムの検証を行うことを目的としており、個人ユーザーには配布されない。これまでのベータ2に比べてユーザーインターフェースが改善されており、マルチユーザーのログオンがしやすくなっている。

 さらに、ベータ2からの新機能として「ウィンドウズメッセンジャー」がある。アウトルックのメールやスケジュール機能に簡単にアクセスできるほか、テレビ電話のように相手の画像をみながら会話をしたり、同時にファイルのやり取りを行ったりするなどの機能が追加された。

 「リモートアシスタンス」機能は、クライアント側のパソコンの操作を管理者のマシンから遠隔的に行うことができるもので、エンドユーザーのトラブルをリモートでサポートするなどの用途で利用することができる。

 「リモートデスクトップ」は、ブロードバンドによる常時接続環境を生かす機能で、例えば外出先のノートパソコンから自宅のパソコンにアクセスして、ノートパソコンに自宅のパソコン画面を映し出し、忘れていた録画予約の操作を行うなどの使い方が可能。リモートデスクトップが有効になっている間は、自宅のパソコンは他のユーザーが利用できないようにロックがかかるようになっている。