富士通が加ACD製品の国内販売権を取得

スペクトルデータ処理・解析など77種類のソフトを販売

 2002.03.20−富士通は19日、カナダのコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーであるアドバンスドケミストリーデベロップメント社(ACD、バル・クルコフ社長)と国内における販売代理店契約を締結、「ACD/Labsパッケージリリース5.0」の販売を開始したと発表した。化合物のスペクトル解析や物性予測などの77種類のソフトウエアから構成されており、医薬品や化学メーカーの研究開発に役立つ。2004年3月までに1,000本の販売を見込んでいる。

 ACD製品は、NMR(核磁気共鳴)やIR(赤外線)、MS(質量分析)などのスペクトルータ処理・解析を中心としたシステムで、それらの分析機器から収集したスペクトルデータをもとに化学構造を予測したり、逆に化学構造式からスペクトルを予測したりするなどの機能がある。

 また、ケミカルシフトや各種物性予測、IUPAC化合物命名などの化学研究をサポートするツールがそろっており、主に分析に関連した研究業務を効率化するのに幅広く役立つ。

 とくに、スペクトルデータ処理では、分析機器からの出力データやそれから予測できる化学構造式とともに、水溶解度、沸点、LogD(分配係数)、LogP(疎水係数)、pKa(酸解離定数)などを化学構造データベース(DB)として管理することができる。各メーカーの分析機器に対応したインターフェースを持つほか、構造式作図ソフトのChemDraw、統合化学情報管理システムISISなどとの連携使用も可能となっている。

 製品全体は77種類のソフトウエアから構成されるが、代表的な構成例としては、スペクトルから構造式を推定する「Structure Elucidator 5.0」(企業・官庁向け792万円、教育機関向け198万円)、スペクトルデータ処理とDB構築を行う「SpecManager 5.0」(同200万円、50万円)、高速液体クロマトグラフィーのデータ処理とDB構築のための「Chrom Manager 5.0」(同40万円、10万円)、化学構造式からIUPAC名称を生成する「IUPAC Name Pro 5.0」(同62万4,000円、教育機関向けはなし)、沸点、蒸気圧、揮発熱を予測する「Boiling Point Pro 5.0」(同30万4,000円、7万6,000円)、LogDと水溶解度を予測する「LogD Sol suite 5.0」(同238万4,000円、59万6,000円)などがある。

 なお、今回の販売契約はマスターディストリビューション契約だが、排他的独占権はない。ただ、ACD側の戦略としては、今回から国内の正式な代理店を富士通一社に絞り、日本での事業を拡大させたい狙いがあるようだ。以前からACD製品はLAシステムズ(LAS)が販売・サポートを行ってきたが、その契約は一旦解消され、LASは富士通経由で製品の供給を引き続き受けて販売活動を継続していくことになる。ACDのホームページにも、以前は「日本のお客様」とした項目にLASのホームページがリンクされていたが、現在では富士通のホームページへのリンクに切り替わっている。