ヒューリンクスがCS Chemシリーズの最新版を発売

キャンペーン価格で提供、MSオフィス連携、企業向けで機能強化

 2002.02.22−ヒューリンクス(本社・東京都渋谷区、田崎百合繪代表取締役)は、化学系研究者の定番ツールである米ケンブリッジソフト社の「CS Chemシリーズ」の最新版を販売開始した。マイクロソフトのオフィス製品との緊密な連携など使いやすさが向上したほか、企業ユーザー向けの機能が大幅に強化された。全社レベルのケムインフォマティクス環境を実現でき、チーム単位での情報共有のしやすさや複数のプロジェクト管理に対応できるなどの特徴がある。同社では、各製品を15−35%引きで提供するキャンペーンを実施し、早期に拡販を目指していく。

 Chemシリーズには、化学構造式作図で標準的に利用される「ChemDraw」や統合スイート製品の「ChemOffice」、企業向けソリューションの「ChemOfficeウェブサーバー」などのパッケージがそろっている。

 今回の「ChemDrawウルトラ7.0」は、ポリマーを作図する機能や原子番号を自動的に割り振るなどの新機能が追加された。ブラウザーに完全に統合することもでき、ウェブ上での化学構造式の交換や共有が容易に実現できるようになった。とくに、マイクロソフトオフィスとの親和性が増し、エクセル上で直接構造式を記述したり、ワード上で化学情報を検索したりすることが可能。「E-Notebookウルトラ7.0」(ChemFinderウルトラの後継製品)を併用すれば、日々の研究にともなう各種情報を一元的に管理することができ、個人の生産性向上ツールとして強力な機能が実現する。電子ノートをプロジェクト単位で整理し、活用することが可能になる。

 これらのソフトを含むスイート製品である「ChemOfficeウルトラ2002」には、さらに電子版メルクインデックスが同梱されている。第13版を完全に電子化したもので、構造式による完全一致・部分一致検索、テキストおよび数値フィールドの検索機能も備えている。メルクインデックスが電子メディアで提供されるのは今回が初めてであり、国内でも多くのユーザーが関心を示しているという。

 また、標準添付される市販化学品データベースを利用したコンビナトリアルケミストリーのライブラリー作成、アッセイデータ管理などを行うことも可能。これらの機能はエクセルと連携して利用することになる。

 一方、「ChemOfficeウェブサーバー2002」は、企業規模でのケムインフォマティクスシステムを実現するソリューション製品で、E-Notebookのエンタープライズ版が統合されている。強固なセキュリティのもとで全社的な情報共有を推進することができる。また、300件の試薬カタログを集積した「ChemACX」データベースは、データ件数が以前の25万件から45万件へと大幅に拡大した。創薬向けのスクリーニング用試薬リストもまとめられており、試薬の購入や調達に役立てることができる。米国版では試薬のオンラインコマースサイトに直結できる機能があるが、現時点では日本からは残念ながら利用できない。

 Chemシリーズの利用環境はウィンドウズ系が中心となっているが、3月ごろには日本でユーザーが多いMacOS X(オーエステン)にも対応させる予定である。