米BEAシステムズ:アルフレッド・チュアングCEOが会見

情報システムのインフラを統合、企業向けJavaで豊富な実績

 2002.03.13−ウェブアプリケーションサーバーの最大手である米BEAシステムズのアルフレッド・チュアング社長兼CEOが12日、都内で記者会見した。そのなかでチュアングCEOは、サン・マイクロシステムズとマイクロソフトの対立は自分たちにとっては利益だと述べ、Javaをベースとしたアプリケーション環境で企業向け市場のリーダーであり続けるとした。会見要旨は次の通り。

 「ウェブサービス市場が離陸しようとしている。マイクロソフトのドットネット(Microsoft .NET)は新しいという意味で面白いと思う。しかし、Javaには大きな市場があり、J2EE(Java2エンタープライズエディション)はすでに業界標準だ。いま、開発者は2つの選択を迫られている。すなわち、マイクロソフトのVisual Studio .NET(ビジュアルスタジオ・ドットネット)で提供されるC#の開発環境に移行するか、それともJavaの開発環境に移行するかだ。Javaの方が開発者のコミュニティが大きく、エンタープライズ分野ではいまや完全に主流である。最近、マイクロソフトはドットネットのサーバー環境のリリースが予定より遅れていることを明らかにした。BEAにとっては、いま何がアベーラブルなのかが重要だ。多くの開発者はJavaのコミュニティに移行してくるだろう」

 「サンとマイクロソフトが対立している結果、マイクロソフトがJavaをサポートしないことは、BEAにとっては利益になっている。現在、インテルプラットホーム上で業界最速のJavaバーチャルマシン(JVM)を提供しているのはわれわれだ。また、マイクロソフトもサンも300万人を超える開発者のコミュニティを抱えていると称しているが、その多くは科学技術分野かデスクトップ分野かゲーム分野の開発者だ。それに対して、BEAの開発者のコミュニティは35万人だが全員がエンタープライズ分野にフォーカスしている。このコミュニティがBEAにとっての最大の武器であり、ますますシェアを向上できると信じている」

 「日本市場におけるビジネスも順調だ。この2年間に日本法人の人員を28名から120名に増加させたが、この投資に見合った実績が出ている。日本の売り上げは2001年度(2001年1月期)は前年度比倍増、2002年度(2002年1月期)も50%成長した。日本経済が悪い中での高成長には満足している」

 「BEAはいま、アプリケーションサーバー市場からアプリケーションインフラストラクチャー市場へと、ビジネス基盤の拡大を図っている。これまで、企業の情報システムは互換性のない技術を幾層にも積み重ねて構築せざるを得なかった。アプリケーションを統合するために大きなコストをかけていた。BEAは今後、企業のソフトウエア基盤を統合化できるインフラ製品として、“BEA WebLogic Enterprise Platform”を開発し、提供していく。このプラットホームの上で1,000社を超えるパートナーがすでに対応アプリケーションを開発中だ」