メルコが無料の無線インターネットホットスポットを全国展開へ

低コスト39,800円で開設可能、飲食店関係などへの普及狙う

 2002.07.03−メルコ(本社・名古屋市、牧誠社長)は2日、無料の無線インターネットアクセスポイントを広く全国展開するプロジェクトを「フリースポット」の名称で推進すると発表した。導入設定サービス込みで3万9,800円の無線アクセスポイントを製品化し、各種公共施設や飲食店などを中心に販売を行う。パソコンメーカーやインターネットプロバイダーの賛同を得て「フリースポット協議会」も発足させ、サービスの提供者や利用者の裾野を広げていく計画。今年度内に1万ヵ所への設置を予定している。

 同社では、有料の無線ホットスポットサービスは事業化への敷居が高いと判断。実際、米国では無線ホットスポット事業者が相次いで経営破綻に追い込まれているが、これは有料化にともなう認証や課金システムなどにコストがかかるために、サービス料金も高額化してユーザーが集まりにくくなり、結果として投資回収が困難になっているのが問題だったという。このため、簡便ながら無料のアクセスポイントを展開する方が、普及へのはずみがつくとみて今回のサービスを企画した。

 一般の飲食店などが「フリースポット」を運営したい場合、同社が提供する「フリースポット導入キット」(3万9,800円)を購入し、対応プロバイダーと月額3,000−5,000円程度のブロードバンド契約を結ぶだけで、来店者に無料のインターネットアクセスサービスを提供することができる。

 キットには、無線LANのアクセスポイント装置と訪問設定サービスが含まれているほか、来店者に告知するためのポスターやステッカー、利用者向けの設定ガイドが添付されている。また、「無線でインターネットできます」と書かれたのぼりなどの追加キットも4,800円で提供する。

 このアクセスポイントは、クライアントパソコンに対して初回アクセス時に任意のURLをポップアップさせる機能があり、これを利用してお店の案内や地域の情報などを利用者のパソコンに自由に送り出すことが可能。使い方次第で、顧客の定着化にも寄与するなど、フリースポット運営者側にもメリットを還元できるという。

 すでに、中部地域を中心に先行導入事例があり、近鉄宇治山田駅構内(伊勢市観光協会)、伊勢神宮会館(ホテル)、インターネットカフェのシエラ(名古屋駅前)、大須商店街(名古屋電気街)ですでに利用が可能。都内では、ヨドバシカメラ(新宿西口マルチメディア館、ほかに大阪・梅田マルチメディア館でも)と旅館・観月(東京都大田区)の事例がある。

 利用者は、フリースポットに合わせてパソコンの無線LAN設定を行う必要があるが、一度設定すれば別のアクセスポイントに行ってもそのままインターネットが利用できるという。簡便なセキュリティ機能も搭載されており、同じアクセスポイントを共有しているパソコン同士は相互に通信できないようになっている。

 同社では、今回のサービスを利用した新しいビジネススタイルとして“BAO”(バッファロー・エニウェア・オフィス)コンセプトも打ち出した。企業、家庭、外出先のどこからでも無線でインターネットを利用できる環境を提供しようというもの。企業向けにはセキュリティが重要になることから、日本ルーセント・テクノロジーと提携してアクセス認証ソフトやVPN(バーチャルプライベートネットワーク)ファイアーウォール製品などを提供していく。

 具体的には、IEEE802.1x/EAPに対応したルーセントの認証技術を導入したサーバーソフトウエア「WL-RA1X」(2サーバー/5ユーザーまでで19万8,000円)を、無線LANアクセスポイント「エアステーション・ラディウスWLM-L11G」向けに提供する。また、ルーセントのVPNファイアーウォールアプライアンス製品「ブリック」をメルコからも販売していく。

 フリースポットは、初期の仕様ではVPNに対応していないが、時期をみてバージョンアップし、外出先のフリースポットからVPN経由で会社のネットワークにログインできる環境を用意する予定である。

 なお、協議会にはパソコンメーカーのコンパック、シャープ、東芝、松下電器産業、プロバイダーとして日本テレコムとJENSが加盟している。協議会のURLアドレスはhttp://www.freespot.net となっている。