サンとCTCが東大ヒトゲノム解析センターに大規模システム納入

最上位機Sun Fire 15Kが8台の構成、国内最大のシステムが稼働

 2003.01.10−サン・マイクロシステムズと伊藤忠テクノサイエンス(CTC)は9日、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターにおいて、サンの最上位サーバー「Sun Fire 15K」(サンファイアー15K)を中心とするシステムが稼働開始したと発表した。合計でCPU(中央処理装置)台数が788個、総メモリー容量が1.7テラバイトの大規模システムで、ゲノムセンターとしては国内最大規模のシステムとなる。

 今回稼働した新システムは、Sun Fire 15Kを8台、ミッドレンジサーバーのSun Fire 6800を2台に加え、日本SGIの最上位サーバーORIGIN3900、日立製作所のPCクラスターマシンHA8000から構成されており、すべてがギガビットイーサネットスイッチのX-Pedition8600で相互接続されている。案件全体は、CTCの協力により日立製作所が取りまとめたという。

 とくに、Sun Fire 15Kが8台という大規模構成は、昨年稼働した京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンターの3台を上回っており、ゲノム分野では国内最大となるようだ。

 マシンはすべて寿司ねたにちなんだ愛称がつけられており、具体的には“toro”(プロジェクト開発・ソフト開発用/100CPU/384GBメモリー/10TBディスク)、“uni”(プロジェクト開発・ソフト開発用/96CPU/288GBメモリー/5TBディスク)、“awabi”(ウェブサービス・アノニマスFTP用/96CPU/216GBメモリー/20TBディスク)、“anago”(プロジェクト開発・ソフト開発用/96CPU/216GBメモリー/10TBディスク)、“samma”(ファイルサーバー・GCG・SeqWeb処理用/96CPU/144GBメモリー/20TBディスク)、“aji”(FASTA・BLAST処理用・DBGET予備機//96CPU/144GBメモリー/20TBディスク)、“saba”(プロジェクト開発・ソフト開発用/96CPU/144GBメモリー/5TBディスク)、“tako”(データバックアップ用/72CPU/144GBメモリー/45TBディスク)−の8台となる。

 また、Sun Fire 6800は、同様に“tekka”(16CPU/64GBメモリー/5TBディスク)と“kappa”(24CPU/48GBメモリー)という名前が付されており、ともにプロジェクト開発・ソフト開発に利用される。

 ORIGIN3900は“gomoku”と呼ばれ、512CPU/512GBメモリー/5TBディスクの構成。HA8000は“gyoku”で、インテルジーオン(2.4GHz)を128個搭載したクラスターマシンであり、主にFASTAおよびTRANSのサービスに利用される。

 ヒトゲノム解析センターでは、今回の新しい設備を利用して、ゲノム解読のためのさまざまな情報解析手法の研究開発、国内外のゲノム研究者に提供するデータベースサービスやデータ解析サービスの拡充に取り組んでいく。

 Sun Fire 15Kに関しては、業界随一のCPUとメモリー容量のスケーラビリティーを備えており、内部バスの性能が優れている点が高い評価を得て採用されたものだという。