ノベルがJ2EE対応のウェブサービス統合プラットホーム

既存資産を変更なしでウェブサービス化、アプリケーション統合を実現

 2003.02.22−ノベルは、J2EE(Java2エンタープライズエディション)をベースにしたウェブサービス開発・運用のための統合プラットホーム「ノベルexteNd4.1」(エクステンド)を開発、3月14日から出荷を開始する。昨年7月に買収したシルバーストリームソフトウエア社の技術をノベルの“one Net”戦略に組み込んだもので、既存のシステムをウェブサービス化してアプリケーション統合を行うことを可能にする。ソフト価格は1,260万円から。

 同社の吉田仁志社長によると、「この1年は新規に投資をしようという顧客は大幅に減少し、既存資産をいかに有効活用するかに関心が移っている」という。ウェブサービスも、本来は次世代のコンピューティング環境として幅広い応用が期待されているが、現時点では従来のEAI(エンタープライズアプリケーションインテグレーション)よりも簡便かつ低コストでアプリケーション統合を実現できる技術として注目されており、今回のexteNdもまさにそうした用途を狙って製品化された。

 具体的には、ウェブサービスの作成と統合を実現する開発ツールの「exteNdコンポーザー」、各種のウェブサービスを束ねた企業ポータルを構築できるフレームワーク製品「exteNdディレクター」、ウェブサービスの実行環境を提供する「exteNdアプリケーションサーバー」−の3種類のシステムから構成されている。

 それぞれ、J2EE1.3に完全準拠しているとともに、生産性の高いビジュアル開発環境を実現しているため、Javaを実際にコーディングする必要はほとんどない。

 とくに、開発ツールのexteNdコンポーザーは、“コネクター”という形でほとんどのレガシーアプリケーションの取り込みを可能にしており、3270/5250などのホスト系アプリケーションやSAPなどの基幹システムをウェブサービス化して、それぞれに相互運用性を持たせることができる。しかも、既存のアプリケーションを一切変更する必要がないので、現有資産をそのまま生かすことが可能だという。

 実際の運用環境としては、専用のexteNdアプリケーションサーバー以外にも、IBMのウェブスフィアやBEAのウェブロジックをプラットホームにしてもかまわない。

 さらに、同社のone Netにおいてセキュリティをカバーする「ノベルNsure」と統合することにより、ディレクトリーサービスと組み合わせた強固なセキュリティのもとでウェブサービスを走らせることが可能になる。

 なお、exteNdの価格はエンタープライズエディションの1プロセッサーライセンスで、exteNdコンポーザーが560万円、exteNdディレクターが840万円、exteNdアプリケーションサーバーが140万円。全部合わせたスイートで1,260万円からとなっている。