ヒューリンクスがバイオアプリケーションの並列システムを発売

ワークフロー機能で一連の処理の自動実行が可能、開発環境として提供

 2003.10.10−アルゴグラフィックスグループのヒューリンクス(本社・東京都渋谷区、滝沢治雄社長)は、異機種混在環境でバイオインフォマティクスなどの科学技術分野の高速並列計算を実現する「TurboWorx」(商品名)の販売を開始した。米ターボワークス(本社・マサチューセッツ州、ジェフ・オーゲン社長)が開発した製品で、ユニークなワークフロー機能によって連続したプログラム処理を自動的に実行させる機能を持つ。バイオ分野などのアプリケーション開発・実行環境としてシステムインテグレーターなどの開発者向けに売り込んでいく。

 開発元のターボワークスは、昨年9月にターボジェノミックスから社名変更した企業で、以前は相同性検索のBLASTをPCクラスター環境で高速化する「TurboBLAST」を提供していた。この製品もヒューリンクスから販売されている。

 今回のTurboWorxは、WindowsやLinux、UNIX、MacOS X、さらには各種のPCクラスターを含めた異機種混在型のコンピューター資源をムダなく活用することが可能。最大の特徴はワークフロー機能で、画面上でコンポーネントをつなぎ合わせていくだけで、一連の処理を全自動で実行させることができる。各コンポーネントには、コマンドラインから起動できるあらゆるプログラムを登録することが可能。コンポーネント間の連結には条件式を定義することもでき、複雑な処理手順を組み込むことも容易である。

 ワークフローを実行させると、プログラムが順番に自動的に走るが、フローが分岐していたり並列処理が定義されていたりすると、そこでネットワーク上の複数台のコンピューターに自動的に処理が振り分けられる。処理のどの部分がどこで稼働しているかをユーザーや開発者が意識する必要はない。

 BLASTやFASTA、HMMER、ClustalWなどの代表的なプログラムを利用したバイオインフォマティクス分野の典型的なワークフローが、あらかじめいくつか用意されていることも特徴だという。

 製品構成は、開発環境の「TurboWorxビルダー」(買い取り21万8,000円、年間ライセンス8万8,000円)、単一のプラットホームで構成される小規模並列環境での実行環境を提供する「TurboWorxグループ」(同46万8,000円、18万8,000円)、異機種混在の大規模環境をサポートする「TurboWorxエンタープライズ」(同248万円、99万8,000円、実行プロセッサー数に応じたCPUライセンスが別途必要)となっている。