ビジュアルテクノロジーがオプテロン搭載ワークステーションを開発

4プロセッサーを装備、64ビットWindowsサーバー2003日本語版も提供へ

 2004.02.10−ビジュアルテクノロジー(本社・東京都港区、川股要一社長)は、AMDの64ビットプロセッサー「オプテロン」を国内で初めて4個搭載した「VT64オプテロンワークステーション4000」(商品名)を開発、6日から販売を開始した。コストパフォーマンスの高さが特徴で、企業や大学の研究室などの科学技術計算用途に適している。OS(基本ソフト)としては、当面は64ビット版のLinuxを標準添付するが、基本的にはWindowsマシンとして売り込みたい考えで、今年の夏にはオプテロン用Windowsサーバー2003日本語版を正式に提供する計画も明らかにされた。価格も128万円からと手頃で、月間300台の販売を見込んでいる。

 新製品のVT64オプテロンワークステーション4000は、オプテロン840(1.4GHz)、同842(1.6GHz)、同844(1.8GHz)、同846(2.0GHz)、同848(2.2GHz)−の各プロセッサーを4個搭載でき、メモリーは最大20ギガバイトまで拡張可能。プロセッサー間はAMD独自の“ハイパートランスポート技術”で接続され、それぞれがメモリーコントローラーを備えているため、プロセッサーの数が増えるほどにトータルのメモリーバンド幅が大きくなる仕組み。

 プロセッサー数にほぼ比例して処理性能が向上することが特徴で、ベンチマークデモンストレーションでは、1プロセッサーで60秒かかっているものが、2プロセッサーで31秒、4プロセッサーで18秒という結果を示した。

 ケースは、韓国ZALMAN社と共同開発したオールアルミニウム製で、放熱性に優れており、92ミリメートルの大型ケースファンを4個設けることで、4プロセッサーを搭載しながら通常のオフィス環境に設置が可能な静音性を実現している。

 標準OSは、4プロセッサー対応のSUSE Linux Professional 9 for AMD64で、フル64ビット環境を実現。コンパイラーは、ポートランドグループのPGI Workstation5.1 for AMD64(C、C++、Fortran77、Fortran90、OpenMP対応)が提供される。

 ただ、同社では64ビットWindowsをメインOSと位置づけており、まずは「Windowsサーバー2003 for 64-bit エクステンデッドシステムズ」の英語版ベータを無償でバンドルする。このOSはもともとは英語版だけの製品化が予定されていたが、今回日本語版も正式に提供されることが明らかになった。日本語版ベータプログラムの予定はないが、今年の夏には日本語の製品版が利用可能になるという。英語版と同様に、スタンダード、エンタープライズ、データセンター−の3つのエディションが用意される。

 オプテロンは、32ビットのソフトウエアを動作させることもできるので、それまでの間は32ビット版のWindowsサーバー2003を使用しておき、あとから64ビット環境に移行することも簡単に行える。

 マシンの理論最大性能は12ギガFLOPS(毎秒120億回の浮動小数点演算)で、デスクサイドに置けるWindowsスーパーコンピューターとして、幅広い普及を目指していく。