2004年春季CCS特集:日本電子/日本電子データム

ACD製品とNMR装置の連携実現、新分野メタボローム解析にも着手

 2004.06.30−日本電子/日本電子データムは、加ACDのソフトウエア製品群の販売を昨年から本格的に開始しており、NMR(核磁気共鳴)関連のモジュールだけをパックにしたオリジナルパッケージで実績を伸ばしている。

 ACD製品は80種類以上のソフトから構成されており、豊富な分析器装置とのインターフェースを備えていることが特徴。日本電子/日本電子データムでは、とくに自社のNMR装置との連携に特化したかたちでの専門的な技術サポートを提供しており、ユーザーから高い評価を得ている。

 最新版のACD8.0がリリースされたばかりだが、なかでもストラクチャーエルシデーターの機能強化が注目されるという。これは、一次元、二次元のスペクトルデータをすべて使って、分子構造までを自動的に導き出す機能を持っている。通常は、分析科学者がいろいろと試行錯誤しながら行う作業を一気に自動化してくれる。

 日本電子の米国法人では、ACD社と技術協力して、新型NMR装置のECA/ECXシリーズとダイレクトに連携できる機能を組み込んだ。このため、試料をNMRにかけるだけで、その分子構造をすぐに理解することができる。

 一方、新しい技術開発という側面では、全代謝物を扱うメタボローム分野に注目しているという。多成分が混じり合った尿などの分析をNMRで行う試みで、例えば糖尿病患者と健康人との違い、また薬物を摂取した際の代謝の時間的変化を分析するなどの応用展開を図っていく。この分野では質量分析装置が多用されており、NMR装置を利用することが新しい取り組みとなる。日本医科大学との共同研究で、ソフトウエアの開発も含めて同社が行っており、今年9月の日本磁気共鳴医学会で研究発表を行う。11月のNMR討論会でも発表する。