2004年春季CCS特集：菱化システム

MOEを核とした総合展開で強み、LIMS分野でも実績

　2004.06.30−菱化システムは、データベース構築から計算化学まで万能に使用できる加CCGのMOEの販売実績を順調に伸ばしている。MOEは他社のシステムを組み込んで連携させるなど、CCSのハブとしての役割も果たすため、同社ではさまざまな特徴ある製品をインテグレーションして総合的なソリューションに発展させる面でも強みを発揮している。

　MOEはCCG独自の“SVL言語”で開発されており、ソースコードが公開されているため、外部プログラムの組み込みや画面などの改造、新機能の追加が簡単に行える。CCGが提供しているのは創薬関係の機能がメインだが、菱化システム側で材料設計に有効なバルクモデリングツールを開発した実績もある。

　自由に交換可能なSVLプログラム集が公開されており、その中には菱化が提供したものも多い。実際、来年のMOE新バージョンには菱化が開発した拡張機能やモジュールが正式に組み込まれるということだ。

　また、昨年からは米ケムイノベーションの統合データ管理システムCBISが本格的に立ち上がってきた。国立医薬品食品衛生研究所をはじめ数件の導入実績がある。外部コンテンツの検索を中心にしたシステムではなく、LIMS（研究所統合情報管理システム）のプラットホームとして採用される例が多い。完全に日本語化されており、クライアントはウェブブラウザーだけで利用可能。開発効率も非常に高く、低コスト・短納期でアプリケーション構築を行うことが可能である。

　最近では実験・測定装置のハイスループット化で研究所内で発生・管理すべきデータ量が急増しており、イージーオーダー的に投資効率の高いシステムが求められているのだという。

　そして、大量データの解析については、英インフォセンスのデータマイニングツールKDEを用意。このように、製品の相乗効果を狙った事業展開に拍車をかけていく。