米インテル:マルホトラ事業部長がプレスセミナー

アイテニアム2の順調さをアピール、モンテシート/タクウィラなどロードマップ公開

 2004.06.14−インテルは11日、都内でプレスセミナーを開催。米インテルのエンタープライズプラットホーム事業本部エンタープライズマーケティング&プランニング事業部のアジェイ・マルホトラ事業部長が講演し、アイテニアム2の順調さをアピールした。セミナーの中では、NEC、日本ヒューレット・パッカード、日立製作所、富士通がそれぞれアイテニアム2マシンの実績やユーザー事例などを紹介。それを受けてマルホトラ事業部長は、「エンタープライズコンピューティングを熟知しているこれら各社がアイテニアム2を選択してくれたという事実がすべてを物語っている。事業面でも、アイテニアムファミリーは十分に満足のいく結果を示している」とした。

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 講演の冒頭で、マルホトラ事業部長は日本のIT投資額が世界第2位でありながらIT競争力の面では12位にとどまっているという調査結果を示し、レガシーに依存した日本市場の問題点を指摘した。「日本のサーバーへの投資の33%はいまだにメインフレームに向けられている。世界平均は16%であり、これが投資に見合った効果があがっていない最大の原因。レガシーをやめ、インテルアーキテクチャーに投資することでもっと改善を図ることができる」と論じた。

 また、マルホトラ事業部長はアイテニアムファミリーの変遷について触れ、「2001年の“Merced”(コード名マーセド、800MHz/4MB)、2002年の“McKinley”(同マッキンレー、1GHz/3MB)、2003年の“Madison”(同マディソン、1.5GHz/6MB)と、3年間で3世代の製品を投入し、ムーアの法則を超えるペースで性能向上を達成してきた」とし、次期プロセッサーのロードマップを明らかにした。

 それによると、今年後半にクロック周波数を1.7GHzに、キャッシュサイズを9MBに高めたマディソン後期型をリリースしたあと、来年には“Montecito”(モンテシート)、さらには“Tukwila”(タクウィラ)と呼ばれる製品が控えているという。

 モンテシートは、今回ウエハーが初めて披露された。17億個のトランジスターを集積し、3倍以上のプラットホーム帯域幅を持つデュアルコアチップとなる。キャッシュも24MBと大幅に増える。仮想化のためのシルバーベール技術を導入し、デマンドベーススイッチングで電力管理を行う。さらに次世代のタクウィラになると、複数個のコアおよびキャッシュを実装し、ジーオンの2倍以上の性能を狙っていくということだ。とくに、2005年以降、デュアルコアの登場とともに価格性能比が大幅に向上すると期待される。

 講演後の質疑応答では、記者側からアイテニアムの普及が予想よりも遅れているのではないかという質問が飛んだ。それに対してマルホトラ事業部長は、「2003年には10万個以上のアイテニアム2プロセッサーを出荷しており、これを採用したシステムベンダーは50社もある。アプリケーションも1,600種類以上が利用できる。アイテニアムは本格的に普及し、収益の面でも貢献しており、現状には十分に満足している」という認識を示した。