日本IBMが山之内製薬にグリッドコンピューティングシステム

研究所内のノートPCを仮想化、インシリコスクリーニングに利用

 2004.12.08−日本IBMは、新薬開発のインシリコスクリーニングのためのグリッドコンピューティングシステムを山之内製薬に納入した。10月14日にカットオーバーしたシステムで、従来は3−4週間かかっていた処理を3−4日で完了することができるようになった。

 両社は、昨年6月から山之内製薬・筑波研究所内のパソコンの処理能力を最大限に活用するグリッドコンピューティングの導入を検討し、検証実験を重ねてきていた。

 今回のシステムは、IBMのノートパソコン「ThinkPad」にプラットフォームコンピューティング社のグリッド用ミドルウエア「ActiveCluster Desktop」を導入し、ネットワーク内に分散するパソコンの空き時間を束ねて、1台の仮想システムとして活用できるようにした。

 山之内製薬がグリッド上で利用している具体的なアプリケーションは明らかにされていないが、たん白質と薬物候補物質とのドッキングシミュレーションを実行しているとみられる。