インフォコムが仏アウレウスのDB製品の独占販売権

化合物情報と生物学情報を収録、QSARツールとのソリューション販売も

 2004.12.27−インフォコムは、仏アウレウスファルマ(アンドレ・ミシェルCEO)との間で、化合物や生物実験情報の知識データベース(DB)「AurSCOPE」をはじめとする製品群の国内独占販売契約を締結し、その販売活動を開始した。インフォコムがかねてから提供している米シュレーディンガー社などの分子設計支援システムを補完するかたちでの活用を推進し、“創薬の知識化”を実現する統合ソリューションとして提案していく考え。

 アウレウス(英語読みでオーリアス)社は2000年にパリに設立されたベンダーで、25名以上の科学者を擁して研究開発を行っている。とくに、学術文献から掘り起こした化合物情報と実験アッセイデータを基礎にしたナレッジマネジメントの統合プラットホーム開発に特化しているという。

 今回のAurSCOPEは主力製品となるDBコンテンツ群で、創薬ターゲットや医薬のトピックに関連した化合物情報とアッセイ試験に基づく生物学情報を収録し、さらに特許情報やリファレンス情報などの幅広い注釈が付されていることが特徴。GPCR(Gたん白質共役受容体)、ADME(吸収・分布・代謝・排出)にかかわる薬物間相互作用、HERGを含むイオンチャンネル−の3種類のDBを利用することができる。

 具体的な創薬ターゲットに特化した情報を集めているので、研究者は自分の関係しているプロジェクトに対して有用な知識を高精度かつ短時間に引き出すことが可能。研究機関の短縮、研究精度の向上などの効果が期待できるという。

 また、アウレウス製品には、ユーザーが必要なデータを抽出することができるクエリーマネジメントソフト「AurQUEST」、相同性検索をベースにした未知たん白質の推定を行う「AurTAG」などといったオプションツールも用意されている。

 DB内にはアッセイデータなどの生物学情報が収録されているため、それを構造活性相関解析(QSAR)にかけることにより、相関式および予測モデルを構築するといった用途にも活用できる。つまり、インフォコムが提供中のQSARツールであるシュレーディンガー製品やファーマアルゴリズム社製品との組み合わせが可能。同社では、トータルでのソリューション提案にも力を入れていく。