2005年春季CCS特集:ケムインフォナビ

大学発ソフトを普及へ、現場志向の使いやすさが武器

 2005.06.27−ケムインフォナビは、東京大学工学系研究科の船津研究室(船津公人教授)で開発されたCCS製品群を普及させる目的で昨年1月に設立された。研究成果を社会に還元する一環であるともいえるが、研究現場の実績に基づいたシステムの考え方はきわめてユニークだ。

 統合ケモメトリックスソフト「Chemish」は4月からフリー版も公開された。PLS法を用いた線形回帰分析などの高機能を無料で試すことができる。気に入ったら製品版を買い、さらに活用を図りたい場合は船津教授が中心になって組織しているCACフォーラムの活動を通して、深い情報交換を行うことが可能。

 使いやすいツールが体系的にそろっており、現場志向ならではのかゆい所に手が届く機能性が特徴である。また、利用を助けるために解説本「できるChemish」(無償ダウンロード可能)も用意している。

 分子設計支援システム「ToMoKo」は、三次元構造活性相関解析を行うための強力な分子重ね合わせ機能を持っている。活性の高い化合物のリードジェネレーションを効率良く実行することができる。

 反応設計支援システム「AIPHOS」はクライアント/サーバー型が提供される(ウェブ版は富士通が製品化)。提示された反応経路の妥当性を検証するのに有効な遷移状態データベース(DB)も利用できる。このDBは、山口大学の堀研究室で開発されたもので、合わせて販売を行う。