2005年春季CCS特集:サイバネットシステム

ライフ系とナノテクに焦点、ナノデバイスの電気伝導特性を予測

 2005.06.27−サイバネットシステムは、昨年から本格的にCCS事業に参入し、ライフサイエンスとナノテクノロジーの2領域で研究支援システムをラインアップしている。

 ライフサイエンス系では、アダムネットから営業権譲渡を受けた米デイライトの化学データベース(DB)製品群に加え、米オープンアイとも代理店契約を締結した。これは、三次元での化合物の類似度の評価やたん白質とのドッキングシミュレーションを通してリード化合物を効率良く探索するための統合システム。早期に事業の立ち上げを図っていく。

 一方、ナノテク分野では、デンマークのアトミスティクス社が開発した「バーチャルナノラボ」が主力製品となる。ナノスケールデバイスの電気伝導特性をシミュレーションできるソフトで、コペンハーゲン大学のストックブロー教授と加マックギル大学のグオ教授がそれぞれに開発したプログラムを統合したもの。

 とくに、電極にはさまれた有機分子の接合界面の電子状態と電子輸送を第一原理的に計算することで、電極部分を含めた大規模な系の電流電圧特性を理論的に算出できることが特徴。分子エレクトロニクスの材料開発に役立つ。

 かなりの計算パワーを要求するため、9月にはPCクラスター対応の並列版を用意する予定。

 同社は、もともと電気系CADで長年の実績を持っており、そのユーザーベースが生かせることもあって、今後への期待がふくらんでいる。