2005年春季CCS特集:科学技術振興機構

国内最大級化学物質DBを無償公開、文献情報とのリンクも

 2005.06.27−科学技術振興機構(JST)は、3月末から「日本化学物質辞書」(日化辞Web、http://nikkajiweb.jst.go.jp)の公開を開始した。国内最大級の200万件の化学物質データ(名称・構造など)を収録したもので、今後も年間14万件のペースで情報を追加する予定。無料でだれでも利用できるサービスだが、今年度中にはサーバーの増設も行い、検索のレスポンスを大幅に高めていくことにしている。

 日化辞Webは、当初は「日本語化合物辞書」として、ハンドブックや教科書などのデータソースや国内の主要研究機関が作成した専門データベース(DB)に登録された化学物質情報を収録。現在では、化審法や安衛法に基づいて公示された物質や、JSTが作成・提供する科学技術文献DB「JSTPlus」などからの収録も含め、最新データが着々と蓄積されている。

 検索は、構造式をその場でスケッチしたり、MOLファイルを読み込んだりして行うことができる。それぞれの物質には独自の日化辞番号が付されており、それを利用すれば、「JOIS」や「JDream」などの文献検索サービスでさらに情報を調べることも容易。将来的には、日化辞Webから直接、文献にジャンプできる仕組みも盛り込む予定である。

 とくに、固定料金制で検索しやすいJDreamは利用者も順調に伸びており、JSTが提供する豊富なコンテンツ同士の相互接続が進むにしたがって、さらに人気が高まっていくとみられる。