CCS特集2006年春:ケムインフォナビ

大学開発のソフトを普及へ、物性推算・逆解析機能が好評

 2006.06.30−ケムインフォナビは、東京大学工学系研究科の船津研究室(船津公人教授)で開発されたソフトウエアを販売。大学のソフトを広く普及させたいという志のもと、山口大学の堀憲次教授や奈良先端大学院大学の金谷重彦教授などの賛同者の輪が広がり、同社の商品ラインアップも拡充されてきている。

 とくに販売好調なのは、統合ケモメトリックスソフト「Chemish」。原子団寄与法による物性推算機能を搭載しており、構造活性相関(QSAR)/構造物性相関(QSPR)のモデル構築に利用することができる。また逆に、望ましい物性を持つ構造を逆解析で生成する機能もあり、ユーザーから高い評価を得ているという。

 現在、Chemishと連携できるディスクリプター計算ツールを開発中で、これが完成すればもっと手軽にモデル構築が行えるようになるという。

 また、三次元QSARツールの「ToMoCo」は、分子の重ね合わせにホップフィールドニューラルネットワークを採用。基本骨格が大きく異なる分子構造でも化学的特性を考慮して精密な重ね合わせを行うことができる。

 外部のソフトでは、山口大学の堀研究室の「hag98」の販売実績が出てきた。これは、多数のコンピューターが存在する環境でGaussianのジョブスケジューリングを行うソフト。

 また、船津教授の研究のつながりで、ガスタイガー教授が開発したソフトを販売する独モレキュラーネットワークスとも販売契約を結んでいる。

 さらには、奈良先端大学院大学の金谷研究室のバイオインフォマティクス関連ソフトもケムインフォナビから販売する予定になっており、今後の活動が引き続き注目される。