CCS特集2006年春:富士通九州システムエンジニアリング

ADME関連で多角展開、研究所SI事業も強化へ

 2006.06.30−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、自社開発パッケージであるADME(吸収・分布・代謝・排出)予測システム「ADMEWORKS」を核にした事業展開を強化する。また、研究所の業務系システムのシステムインテグレーション(SI)も拡大したい考えで、電子実験ノートブックなど情報管理・業務支援系の案件獲得を目指す。

 ADMEWORKSは、7月中旬に最新バージョン3.0をリリースする予定。新たに皮膚感作性予測モデルを組み込んでおり、これまでの創薬用途だけでなく、化粧品メーカーなどにもターゲットを広げていく。

 また、加ACD製品との連携を通してメタボローム分野への展開も進める。具体的には、MS(質量分析)やNMR(核磁気共鳴)のスペクトルデータをACD製品を経由してADMEWORKSに取り込み、パターン認識や多変量解析手法を用いて、毒性予測、バイオマーカー探索、臨床診断といったソリューションに結びつける。ACD製品との連携は年内に実現したいということだ。

 さらに、加プラットフォームコンピューティングのミドルウエア製品「LSF」をベースに、計算化学のグリッドコンピューティング環境構築サービスに乗り出す。分子軌道法やディスクリプター計算など、大規模な計算に対する柔軟で高度なスケジューリングを実現することで、研究効率の大幅な改善を約束しようというもの。

 このほかにも、薬物の経皮吸収予測システム「SKIN-CAD」、液晶化合物の統合データベース「LiqCryst」、またASPサービスで提供している「ADMEデータベース」など、各製品も秋にかけて順次バージョンアップ。売り上げ増に期待が大きい。