CTCLSが米ファーサイトの臨床試験支援システム製品群

試験データ統合管理を実現、大幅な業務改善達成

 2006.06.21−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、米ファーサイト(本社・カリフォルニア州、シャウン・オコナー社長)と代理店契約を締結し、きょう21日から臨床試験支援のためのシステム製品群を発売すると発表した。欧米の大手製薬会社で実績豊富なシステムで、効果的な業務改善を達成できる。ファーサイト製品全体で3年間に4億円の販売を見込んでいる。

 今回、販売を開始したのは、薬力学試験/薬物動態試験のデータ管理システム「ファーサイト・ナレッジベースサーバー」(PKS)と、臨床試験デザインシミュレーター「ファーサイト・トライアルシミュレーター」の2つ。

 PKSの最新バージョンは3.0。通常は研究者が個人的にエクセルなどで管理している試験データを、サーバー上で集中管理できるようにするシステムで、各種データの作成や変更の履歴を完全にトラッキングする機能を持っている。臨床試験専用のデータ解析システムである「WinNonlinエンタープライズ」とシームレスに統合されているほか、SASなどの他社ツールとの連携も可能となっている。

 レポーティング機能を備えており、文書の作成・更新・チェック・承認といったワークフローを自動化することが可能。データ自体はサーバー上で管理されているため、チェックミスなどがなくなり、業務効率が向上する。また、バリデーション機能が用意されているため、テストと結果報告に必要な何ヵ月もの作業時間を大幅に節約することが可能。

 ソフト価格は、1ユーザー当たり400万円程度で、欧米では数10から数100ユーザーでの導入事例も多いという。

 一方、トライアルシミュレーターは、過去の非臨床・臨床データを活用することにより、効果的な臨床試験を実施するためのさまざまな解析機能を統合。共変動モデルによって背景の異なる被験者情報を記述し、被験者に対する薬物反応やプラセボ効果、ランダム要因を含む薬物モデルを構築。それを試験プロトコルデザインと組み合わせて、想定される臨床試験結果をプレビューすることができる。プロトコルや諸条件の変化が結果におよぼす範囲を考慮できるので、被験者にとってもリスクが低く効果的な治療を実施することが可能。臨床試験の確実性が向上するので、コストも大幅に抑えられる。こちらのソフトウエア価格は約300万円。最新版はバージョン2.2となっている。

 どちらも単純なパッケージソフトではなく、ユーザーの業務に合わせてプロジェクトを組むスタイルで導入を行う。CTCLS側でコンサルティングを含めたサービスを提供するほか、とくにトライアルシミュレーターではファーサイト社のプロフェッショナルサポートを組み合わせていく。