FQSがADMEデータベースサービスをバージョンアップ

P450など最新データに更新、新たにFMO酵素情報を追加

 2006.07.13−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、オンラインで利用できるADME(吸収・分布・代謝・排出)データベース(DB)検索サービスを機能強化し、バージョン3としてこのほど提供を開始した。DBの内容を最新の情報に更新するとともに、新しい酵素の薬物代謝情報を追加した。新薬開発に役立つ情報源として利用でき、料金は全データへのアクセスで年間157万5,000円。

 このサービスの名称は「ADMEデータベース バージョン3」で、もとになるDBは薬物動態の第一人者であるクロアチア・ザグレブ大学のレンディック教授らが収集したデータをもとにFQSが構築したもの。ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)方式のサービスとして商用化している。

 今回のバージョンアップでは、チトクロームP450(薬物を体外に排出されやすい形に代謝する酵素)とヒトトランスポーター(薬物を輸送するたん白質)の最新データを追加。それぞれに関連する基質・阻害剤・誘導剤の情報を網羅したデータ件数は、P450で1万6,542件、トランスポーターで1万382件に拡大した。

 さらに、ADMEに関連する酵素情報として、バージョン2で登録したエステラーゼ(エステル類を分解する酵素)、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ(グルクロン酸を抱合する酵素)、スルホトランスフェラーゼ(硫酸転移酵素)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(解毒酵素)の4種類に加え、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)の情報を取り入れた。この5酵素のデータ件数は合わせて2,030件となっている。

 追加されたFMOは、含窒素化合物などの酸化反応を触媒する酵素で、副作用の少ない医薬品開発における重要な酵素として、最近注目を集めているという。

 なお、年間利用料金の詳細は、企業・国公立研究機関向けの同時使用1−10ライセンスで、ヒト薬物代謝酵素DB(P450とその他のたん白質)で105万円、同じくキネティックデータオプション付きが126万円、ヒトトランスポーターDBは52万5,000円、全DBパックで157万5,000円、同時使用11ライセンス以上の場合、ヒト薬物代謝酵素DBが157万5,000円、同キネティックデータオプション付きが189万円、ヒトトランスポーターDBは78万7,500円、全DBパックで210万円。教育機関向けは全DBパックのみで、1−10ライセンスが52万5,000円、11ライセンス以上は78万7,500円。料金はいずれもバージョン2と変わっていない。