2006年秋CCS特集:ElsevierMDL

ワークフローアプリを前面に、化学DB基本機能着々強化

 2006.12.13−ElsevierMDL(エルゼビアMDL)は、プラットホーム製品の「Isentris」を中核とし、製薬企業が研究開発業務において革新的なユーザー体験を共有できるよう、技術開発にさらに拍車をかける。とくに、国内ではワークフローアプリケーションを前面に押し出し、具体的な業務の中でのIsentrisの優位性を訴えていく。

 Isentrisは、2004年12月からリリースされた製品だが、この間に着々と機能強化が進められてきている。例えば、オラクルのデータカートリッジに対応する「MDLダイレクト」がちょうどバージョンアップされ、パフォーマンスの改善により反応データベース(DB)の検索速度が格段に向上した。

 また、新しいユーザーインターフェースである「Isentrisクライアント」が年末にリリースされる。フレキシブルで使いやすくデザインされており、エルゼビアMDLが提供するDBコンテンツとユーザーDBを統合して検索することが可能になる。

 ただ、同社ではIsentrisを単独で売り込むのではなく、ワークフローアプリケーションを主軸にした普及を狙う方針。具体的には、電子実験ノートの「MDLノートブック」、化合物登録のための「MDLレジストレーション」、試薬在庫管理の「MDLロジスティクス」などをそろえている。

 なかでもMDLロジスティクスは国内の製薬企業と共同開発した日本語版を販売中だ。今回、パフォーマンスやスケーラビリティーを改善したバージョン2となり、プログラミングインターフェースも公開されたため、試薬購買などの外部システムとの連携も行いやすくなったという。

 一方、バイオロジー製品では、最新版の「アッセイエクスプローラー3.1」が年内にリリースされる。表計算ソフトのエクセルとの互換性が向上しており、エクセルからアッセイデータを登録したり、データをエクセルに渡して分析したりすることが簡単に実行できるようになる。ユーザーからの要望が強かった機能だという。