米CASがオンライン検索サービスの最新版SciFinder2007をリリース

回答集合の演算機能を新たに搭載、情報抽出が容易に

 2007.02.21−米国化学会(ACS)のデータベース(DB)サービス部門であるケミカルアブストラクツサービス(CAS)は、検索のためのクライアントソフトの最新版「SciFinder2007」を提供開始した。複数の検索によって得られた結果のなかから必要な情報を共有したり選別したりする“回答集合の演算機能”を新たに搭載した。国内でのサービスの販売や技術サポートは化学情報協会が担当している。

 「SciFinder」は、ケミカルアブストラクツのDBにマウスクリックだけでアクセスできるオンライン情報検索サービス。医薬・バイオ・化学企業の研究者の日常のデスクトップツールとして、研究テーマの検索、学術雑誌の閲覧、科学研究の最新成果の取得といった用途に利用されている。

 これまでも、一つの回答集合(検索によって得られた結果の集合体)のなかで情報を選別することはできたが、複数の回答集合を組み合わせることはできなかった。今回の“回答集合の演算機能”により、いくつかに分割して保存しておいた化学関連の文献・物質・反応の回答集合を一つの新しい回答集合にまとめたり、保存していた回答集合と新しく検索した回答集合のなかから必要な情報だけを抽出(和集合・積集合・差集合を指定)したりするなど、自分の研究目的に沿った最適な回答集合を構築することが簡単にできるようになった。

 また、新機能として、得られた試薬・化成品データを会社名や国ごとに並べ替え、エクセル形式で出力することが可能。複数の化学構造を格子状に表のように並べて印刷できるようになったので、構造同士の比較を効率的に行えるという。