サイバネットシステムがライフサイエンス事業を再編

デイライト製品の取り扱い停止、オープンアイ主軸にソリューション志向強化

 2007.02.03−サイバネットシステムは、4月からライフサイエンス事業を再編する。米デイライトのケムインフォマティクス製品の取り扱いを3月末で停止し、米オープンアイサイエンティフィックソフトウエア社の製品を中心にした事業構造を確立させる。創薬支援プラットホームとしての統一を図ることで、パッケージの単品販売からソリューション志向への転換を進めていく。

 今後の主力に据えるオープンアイ製品は、薬物または受容体の構造を基盤にした新薬開発のためのツール群を幅広くそろえたもの。たん白質構造解析、ドッキングシミュレーション、形状比較などのユニークがツールが提供されており、化学情報管理のためのデータベースシステムも備えている。

 とくに、「OEChem」は、化合物情報や分子構造を扱うアプリケーションのための使いやすい開発環境で、UNIX/Linuxの64ビット環境にも対応。開発生産性が高いことから、システムインテグレーション(SI)の道具としても活用する考えだ。

 オープンアイ製品群だけでなく、同社が販売権を持っている米バイオバイトや英デジタルケミストリーのシステムとの接続・連携も可能になる。

 また、昨年秋から発売したX線結晶構造解析支援ツール「AFITT」が好調であり、来年度のオープンアイ製品の売り上げ増への期待が高まっているということだ。

 そもそも、サイバネットシステムは2004年9月にアダムネットから営業権譲渡を受けてライフサイエンス事業に進出したが、その中核がデイライト製品だった。今回の代理店網再編はデイライト側の意向によるもので、4月からは菱化システムが販売・サポートを一手に行うことになる。既存ユーザーの保守も菱化システムに移管される。サイバネットとしては、今後ともこの事業領域を継続的に拡大・発展させる方針である。