2007年春CCS特集:ヒューリンクス

定番ソフト含め多彩な製品群、新バージョンを続々投入

 2007.06.28−ヒューリンクスは、分子軌道法ソフト「Gaussian」(米ガウシアン)、化学者向けスイート「ChemOffice」(米ケンブリッジソフト)など、安定した需要がある定番ソフトが好調。これらに加え、新製品や最新バージョンを継続的に市場投入することで、CCS事業を着実に成長させている。

 定番製品群についてはサポート重視の戦略を取っている。Gaussianでは有償保守契約を推進しているほか、ケンブリッジソフト製品でも単体売りよりも年間サイトライセンスでの販売を増やしていく考え。ユーザーにもメリットが大きいため、順調に浸透しているようだ。

 一方、新バージョンとしては、5月に「Q-Chem3.1」が、6月に「HyperChemリリース8」が提供開始されている。

 Q-Chemは高速で高精度な量子化学計算ソフトで、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を持たない計算エンジンだけの製品であるためにやや専門家向けだが、使ってみたいというユーザーは多い。今回の最新版では、密度汎関数法(DFT)の機能拡張、励起状態を考慮できるRI-CIS法のサポートなどが施されている。

 HyperChem8は高度なGUIを備えたWindows版の統合CCS製品。外部の分子軌道法ソフトを組み込むためのインターフェース機能が強化された。また、多数の計算を一括で行うバッチ処理機能が追加されたため、利用範囲が大きく広がったという。分子機能研究所が開発しているSBDD(ストラクチャーベースドラッグデザイン)製品群を組み込むことで、機能をさらにグレードアップさせることができる。