2007年春CCS特集:日本総研ソリューションズ

高分子材料のナノ特性を解析、新エンジンなど機能追加

 2007.06.28−日本総研ソリューションズは、高分子物性解析ソフトJ-OCTAに新しいサブシステムを追加した。着々と機能強化を実施することで導入実績も50社に近づいており、昨年度は単年度での黒字化を達成している。国産、自社製品の利点を生かして、技術面でのサポートやトレーニングを充実させるとともに、受託解析を含めた総合的なビジネスモデルを推進していく。

 J-OCTAは、高分子材料のナノ領域における力学特性、熱特性、界面特性、透過・拡散特性、光学特性などを予測できるソフト。大学などで開発されたシミュレーションエンジンを柔軟に取り込むプラットホームとしての機能が優れている。

 今春にリリースされた新しいサブシステムも、新エンジンへの対応がポイントになる。その1つは同社が開発した並列型分子動力学エンジンVSOP。J-OCTAで最も多用される粗視化分子動力学法COGNACの主要な機能を実装したプログラムで、高速さが特徴。今回の最新版では従来のLinuxに加えてWindowsのマルチコア環境に対応したため、より手軽に並列処理を行えるようになった。

 もう1つは、レオロジーシミュレーターNAPLES用のモデラーの提供である。J-OCTAに含まれているPASTAに類した機能を持ち、溶融状態の高分子の粘弾性などのレオロジー特性を評価することができる。分子の形状に対する自由度が高く、ブロック共重合体などの2成分系にも対応できるという特徴がある。

 現在の専用モデラーはプリ処理が中心だが、9月にはポスト処理機能も追加し、NAPLESモデラーとしての完成形に近づけていく。

 合わせて、9月のバージョンアップでは、J-OCTA全体のベースをOCTA2006対応に更新する予定。