2007年春CCS特集:サイエンス・テクノロジー・システムズ

産学協同プロジェクトで技術蓄積、専門スタッフ揃えサービス提供

 2007.06.28−サイエンス・テクノロジー・システムズ(STS)は、科学技術分野に特化した研究型・技術主導型ベンダーとして特異なポジションを占める。最近になって、単純なIT(情報技術)主体の業務から脱却しつつあり、技術力を生かした高付加価値なサービス展開に軸足を移している。

 さまざまな産学協同プロジェクトの経験が同社の技術的な背景となっているが、なかでも北海道大学との糖鎖関連のプロジェクトはデータベース構築や予測アルゴリズム開発などにはじまり、さらに発展的に継続。最近では、オリゴ糖と糖鎖の認識に関する研究といったテーマも扱っているという。実験的に解明しにくい事柄を計算によって調べようというもの。

 このほかにも、薬物と受容体の誘導適合など、プロジェクトの知見を製薬会社向けのコンサルティング事業に生かすなどの取り組みもあらわれてきている。

 同社のスタッフの中には、共同研究を通して博士号を取得する者もおり、バイオ・化学・物理などさまざまな分野の専門家がそろっているのが強み。受託解析・受託研究などのサービスを充実させる意味では、これらの人材に加えてハード面の設備も増強する考え。コンピューター資源は随時強化してきているが、今後は分析器なども社内に導入したいという。

 一方、外部製品の代理店としてアクセルリス、ワールドフュージョン、パトコアなどのシステムを扱っており、パッケージ主体のソリューションとしても幅広いニーズにこたえることができる。ここでも生物・化学分野での技術力が生かされており、ユーザーの要望を的確につかんだサービスで実績を伸ばしている。