エルエイシステムズが使いやすさ重視のNMR統合ソフト

表現力豊かなビジュアルレポート作成、基本機能を備え低価格実現

 2007.07.26−エルエイシステムズ(LAS)は、スペインのメステルラボ(カルロス・コバス社長)と提携し、NMRデータ処理・解析・シミュレーションのためのデスクトップソフトウエア「MestReNova」(Mnova)の販売を開始した。使いやすさとビジュアルを重視したNMR初心者向けの製品で、スペクトル作成からそのまま美しいプレゼンテーション資料に仕上げるまでを1本で行うことができる。Windows、MacOS X、Linuxのマルチプラットホーム対応で、ファイル互換性があるために情報共有が図りやすいことも特徴。

 Mnovaは、1996年からMestReCの名称でバージョンアップを重ねてきたソフトで、今年の4月末の最新版から新たな名称を採用したもの。1Dおよび2D−NMRのFIDデータに対して、フーリエ変換後に自動位相補正、自動ベースライン補正を行う。ピークピッキングやインテグレーションなどの解析機能も自動化されている。

 とくに、マルチページのWYSIWYGタイプのユーザーインターフェースを持っており、複数の実測または予測スペクトルを1ページにまとめて、1つのファイルに複数の解析結果を保存することが可能。スペクトルの重ね合わせや角度を指定したスタックプロット(積み重ね)など、表現力の豊かなビジュアルレポートを作成することができる。画面はマイクロソフトのパワーポイント風で、初心者でも直感的に使いやすい。

 ライセンス価格は、企業向けの永久ライセンスが26万2,500円、年間ライセンスは10万5,000円、教育機関・国公立研究所向けが永久ライセンス6万3,000円、年間ライセンス2万2,500円となっている。5ユーザー以上のボリュームディスカウント、ネットワークライセンスも用意されている。

 同社は、分析の専門家が使用するNMRPIPE(米NIH)やPERCH(フィンランド・パーチソリューションズ)、ACD/Labs(加ACD)などのNMR関連ソフトを幅広く取り扱っている。今回のMnovaは、NMR利用者の裾野を広げる意味からも普及を期待しているという。