OrangeOneが遠隔PCサポートサービスの事業化を支援

韓国アールサポート社の技術を利用、通信事業者などに向け提案

 2007.08.07−OrangeOne(本社・東京都新宿区、春日原森社長)は、遠隔からパソコンを操作してサポートを行う「PCコンシェルジュサービス」の事業化を支援するための「GROPP」(グローバルリモートワン・パートナープログラム)を8月から提供開始した。通信事業者やパソコン量販店などが自社の顧客向けにこのサービスを開始することを助けるもので、コンサルティング・技術提供からシステムのホスティング、サービス全体のアウトソーシングまで、包括的な支援体制をとる。

 今回のサービスは、韓国最大のPCコンシェルジュサービス企業として30万人以上の顧客を持つPCドクター社向けにシステムを提供した韓国アールサポート社の技術がベースになっている。 OrangeOneは、アールサポート社が国内のジェネサス(春日原森社長)らと設立した合弁会社。

 遠隔から他者のパソコンをコントロールしてサポートなどに利用する技術は“リモートデスクトップ”と呼ばれ、Windows製品にも組み込まれている。ただ、これまでは、サポートを受けるパソコン側に専用のソフトウエアをダウンロードしてインストールし、設定を行う必要があるなど、パソコンの初心者には敷居が高かったために、広くは普及していない。

 これに対し、アールサポートの技術では、利用者は専用のホームページにアクセスして、ブラウザー画面で「接続」ボタンをクリックするだけ。ActiveXコントロールによって必要なソフトが自動的に送り込まれる。接続が確立されたあとは、センター側のサポートスタッフが顧客のパソコンを直接操作したり、電話しながら操作法をガイドして自分でトラブル解決するように助けたりすることが可能。接続後のセッション全体を録画することもできるので、不正や不都合が生じた際の証跡も得られるようになっている。

 韓国PCドクター社において成功した実証済みの技術であり、ITの基本的な知識の少ない高齢者などのパソコン/インターネット利用を促進することにつながるという。

 今回、OrangeOneは、自らこのサービスを行うのではなく、通信事業者やパソコン量販店などが顧客獲得の一貫としてこのサービスを開始することを支援しようというもの。月額数百円程度の料金で、数10万人クラスの利用者をサポートできる規模のサービスを想定している。