2007年秋CCS特集:ヒューリンクス

バイオ系作図機能を強化、分子軌道法ソフトは64ビット対応

 2007.11.26−ヒューリンクスは、数多くの科学・工学向けソフトウエアを販売・サポートする専門ベンダー。サイエンスソフトの商品数の多さは日本一だという。

 CCS関連でも幅広いラインアップを誇るが、なかでも中心は米ケンブリッジソフトの「Chem&Bioシリーズ」。日本語の最新2008年版がリリースされたばかり。最上級スイート製品として、「ChemOffice2008」と「BioOffice2008」を合わせた「ChemBioOfficeウルトラ2008」が追加され、個別製品のバージョンはすべて11に上がった。

 最も人気があるのは「ChemBioDraw11」となるが、とくにバイオ系の作図機能が強化され、プラスミドマップなどが簡単に描けるようになった。また、シーケンスツールが搭載され、アミノ酸や塩基配列を簡単に入力できるようになった。アミノ酸であれば、アラニンは「a」、グリシンは「g」といった具合にキーボードから頭文字を打つだけで配列をつないでいくことができる。これらはただの文字ではなく、背後では実際に分子構造を持っているため、ワンクリックで任意の部分を構造式として展開することも可能。クリーンアップ機能が強化されているため、長い配列でも作図が崩れることはない。

 ChemDraw/ChemBioDrawは、基本的には2次元作図という単純な製品だが、実際には長年のバージョンアップを通してさまざまな機能が搭載されているため、便利な機能に気づいていないユーザーも少なくないという。

 3次元モデリングの「ChemBio3D」も同じで、今回の最新版はモデル化した複数の構造のなから任意のものだけを選択したり、分子構造の一部分を選択して構造式のかたちで確認するなど、細かな使いやすさが的確に向上している。

 ケンブリッジソフト製品以外では、米ガウシアンの分子軌道法ソフト「Gaussian03」の最新リビジョンE01が11月にリリースされた。64ビットのレッドハットLinuxに対応しており、高速計算に磨きがかかっている。