アクセルリスがパイプラインパイロットに新コレクション追加

イメージ処理機能などを統合、活用範囲がさらに拡大

 2008.03.18−アクセルリスは、データ統合やワークフロー構築のためのプラットホーム製品である「SciTegicパイプラインパイロット」の新しいコンポーネントコレクション3種を提供開始した。イメージ処理、化学情報マイニング、遺伝子発現解析の各分野に役立つ各種機能をひとまとめにしたもの。パイプラインパイロットの活用範囲が大きく広がることになる。

 パイプラインパイロットは、いろいろな機能を持たせたコンポーネントをつなぎ合わせることで一連の処理手順・作業手順のワークフローを構築し、それを実行したり共有したりすることを可能にする。ケムインフォマティクス、バイオインフォマティクス、生命科学系モデリング、材料科学系モデリング、統計解析、テキストマイニング、レポーティングなどの用途に合わせてコンポーネントをセットにした“コレクション”(現時点で全17種)が用意されている。

 今回の新しいコレクションは、「アドバンスドイメージングコレクション」、「ケムマイニングコレクション」、「遺伝子発現コレクション」−の3つ。

 アドバンスドイメージングコレクションは、短期プロジェクトとして実施された「アドバンスドイメージングコンソーシアム」の開発成果を収録したもの。パイプラインパイロットのデータ統合機能を強化し、イメージ画像やビデオ映像に対する数学・統計解析、学習、クラスタリング、モデリング、レポート作成、アーカイブ管理などを行うことを可能にする。

 ユニークな事例では、薬物を投与したマウスの様子をビデオ撮影し、その挙動をグラフ化したというケースがある。映像の中からマウスの目玉を識別し、それによってマウスの頭の位置を確定、頭の動きの大きさや速さを時間的に追跡して、グラフを描画した。これにより、薬物の影響でマウスが鎮静化していく状況を定量的に把握することができたという。

 2つ目のケムマイニングコレクションは、世界中の学術文献や特許情報をマイニングするためのコレクション。テキスト検索し、化学名を見つけ、構造式に変換し、化合物データベースに統合するなどの柔軟なワークフローを確立することができる。社内の知的資産と統合して、包括的な知識ベースを整備することにも役立つという。

 次に、3つ目の遺伝子発現コレクションを利用すると、研究者が薬物ターゲットやバイオマーカーの候補を識別するとともに、遺伝子発現実験の処理、分析、研究、レポート作成を行うことが可能になる。

 これらに含まれるコンポーネントはコレクションの壁を越えて自由に連携させることができるほか、外部のアプリケーションと統合することで、これらの機能を簡単に組み込むことが可能となっている。