2008年春CCS特集:コンフレックス

計算化学サポートで実績拡大、開発環境に国内最速マシン

 2008.06.25−コンフレックスは、計算化学関連のサポートサービス事業を拡大させる。すでにサポートスタッフを増員して体制を強化しているが、将来的には計算化学のハードウエアリソースを提供するベンダーとのアライアンスにも乗り出したいとしている。

 同社では、非経験的分子軌道法ソフト「Gaussian」(米ガウシアン)や分子動力学法ソフト「AMBER」(米カリフォルニア大学)を国内ユーザーに販売するとともに、専門的なサポートサービスを提供。昨年から、フリーの分子軌道法ソフト「GAMESS」に対するサポートを開始したところ、非常に好評だという。

 GAMESSの特徴として、フラグメント分子軌道法(FMO)計算ができることがあるが、試してみたいがやり方がわからないなどと、困っているユーザーが多かった。GAMESS自体が商用ソフトではないため、もともと業者のサポートが受けられなかったわけで、こうした需要はまだまだ潜在化していると考えられる。同社では、さらに体制強化しつつ、国内の計算化学の振興を支援したい考えだ。

 一方、パッケージ製品では、AMBERの最新バージョン10がこの4月にリリースされた。計算エンジンが大幅に強化されており、バージョン7の2倍以上、バージョン9と比べても25%強の高速化が達成されている。また、周辺ツール群である「AMBERツールズ」がオープンソースとして入手できるようになったことが大きな変更点となる。

 自社開発の配座探索ソフト「CONFLEX」については、東京工業大学の国内最高速マシンTSUBAMEのイノベーション創出事業に利用課題として採択され、今年から本格的にこの高速環境を利用した開発に取り組んでいる。