2008年春CCS特集:サイバネットシステム

創薬とナノテクの2本柱展開、独創性ある製品に高い評価

 2008.06.25−サイバネットシステムは、新事業としてCCS市場に進出して3年が経過。着実に実績を重ね、次なる段階へのステップアップをうかがいつつある。

 同社は、CCS事業を創薬支援とナノテクノロジーの2分野に分けて推進している。創薬支援では、米オープンアイ、米バイオバイト、英デジタルケミストリー、ナノテクではデンマークのアトミスティクス、仏ナノタイムズといったベンダーの製品を扱っている。

 なかでも評価が高いのがオープンアイ社のモデリング製品群。たん白質の構造に注目するストラクチャーベースドラッグデザイン(SBDD)と、低分子側から設計を行うリガンドベースドラッグデザイン(LBDD)の両面からのアプローチを可能とするユニークなツールを揃えている。

 とくに、3次元形状の類似度計算を行う「ROCS」、静電ポテンシャルの類似度を比較する「EON」、3次元形状や化学的性質、静電ポテンシャルを用いてバイオアイソスター(生物学的等価体)を予測する「BROOD」、X線結晶構造解析を支援する自動フィッティングツール「AFITT」など、特徴のある製品が伸びている。単に機能としては競合する既存製品も多いが、これらオープンアイ製品は解析のための着眼点に独創性があるため、新世代のモデリングソフトとして注目が集まっているわけだ。定期的にバージョンアップが行われており、ますます機能が洗練されてきているという。

 一方、アトミスティクス製品は、ナノスケールデバイスを設計するための電気伝導特性のシミュレーションを行う統合ツール。4月末に最新版がリリースされたばかりで、スクリプトの編集・実行ツール、磁気トンネル接合構造を作成するためのツールなどが追加されている。製品を実際に試せる無料体験セミナーも好評だ。