2008年春CCS特集:エルゼビア・ジャパン

ファクトDB事業を集約統合、研究者志向を一段と強化

 2008.06.25−エルゼビア・ジャパンは、世界の学術雑誌の4分の1あまりを出版しているという世界最大規模の出版社・情報サービスプロバイダーであるリード・エルゼビアグループの1社。グループの中で科学・医学情報を扱う“エルゼビア”の日本法人として、国内の科学者・研究者・技術者向けにさまざまなデータベース(DB)サービスを提供している。

 昨年10月からは、子会社だったMDL(シミックスに売却)で扱っていたファクトDB事業を本体に集約し、もともとの書誌DB事業と合わせて、オンラインビジネスの体制を大幅に強化・充実させた。研究開発を支援する電子情報ソリューションとして、あらためて各サービスを推進している。

 旧MDL時代と比べて、エンドユーザーである研究者志向が強まったことが大きな変化で、有機化合物の構造・物性・反応DB「CrossFireバイルシュタイン」、無機化合物DB「同Gmelin」については、有識者らのアドバイザリーボードミーティングを開催し、将来の方向性を研究者の立場で検討しはじめているほか、この6月から研究者向けニュースレター(英語と日本語)の発行も開始した。

 サービスの契約形態も柔軟になり、“カンパニーワイドアクセス契約”として、ユーザー数がそれほど多くない中堅企業でもリーズナブルな料金で制限なく CrossFireのDBを利用できるようになった。また、6月リリースの最新版から書誌DB「Scopus」との双方向リンクを実現した。

 この Scopusには参考文献の引用情報が収録されており、被引用回数のランキングや引用文献リストを利用して、重要な文献を浮き彫りにすることができる。1996年以降の4,000社/1万5,000誌以上をカバーし、毎日更新するという速報性・網羅性が特徴。サイテーショントラッカーとして、研究者や研究機関の評価指標としても採用されることが多いという。