2008年春CCS特集:インフォコム

ワークフロー分野で自社製品、豊富なノード集を提供

 2008.06.25−インフォコムは、多様化するユーザーニーズを高い次元で満足させるため、最新のテクノロジーに基づいた豊富な製品群を用意するとともに、独自に開発も行って製品間の連携や不足した機能の補てんができる体制を築いている。

 その意味で注目されるのが、この2月に製品化したばかりの「JChemエクステンションズ」。これは、フリーのワークフローツール「KNIME」(独ナイム社)上で、ハンガリーのケムアクソン社のケムインフォマティクスツールを利用できるようにする拡張ノード集。単位操作を記述した“ノード”を処理手順にしたがって結び付けていくだけで、ワークフローを自動化することが可能。

 構造式を含む化学情報の検索、抽出、統合、レポート出力などが可能。また、部分構造検索、データカートリッジ連携、構造標準化、物性計算、フラグメント分解などのオプションノードも用意されている。

 同社は、ケムアクソンのデータベースエンジンを採用した化合物データ管理システム「J-STRIKE」も製品化しており、JChemエクステンションズとの相乗効果も期待される。また、同社が販売権を持つ米シュレーディンガーもモデリング関連でKNIME専用ノードを開発しており、それも合わせるとインフォコムからは200種類ほどのノードが提供できるという。

 一方、シュレーディンガー製品もこのほど最新バージョンがリリースされたばかり。ドッキングシミュレーションの定番となった「Glide/Prime」がさらに機能強化されたほか、新製品として「Desmond」と「WaterMap」が追加された。

 前者は、D・E・ショウ・リサーチが開発した分子動力学(MD)エンジンで、今回初めて商品化された。1,000プロセッサーを超える超並列環境での動作が可能で、マイクロ秒スケールのシミュレーションが可能なエンジンとして注目されている。後者は、MD計算結果からたん白質の結合ポケット内の水分子のケミカルポテンシャルを計算するもの。